【レビュー】日本宣教を展望する基礎データが必要 『データブック2023』『宣教ガイド2023』
第七回日本伝道会議(JCE7)が開催された今年は、『第7回日本伝道会議 宣教ガイド2023 「おわり」から「はじめる」宣教協力』(日本福音同盟宣教委員会宣教研究部門編、いのちのことば社、2千90円税込、A5判、以下『ガイド』)と、それに先行する『データブック2023 神の国の広がりと深化のために』(東京基督教大学国際宣教センター 日本宣教リサーチ編・発行、千980円税込、B5判、以下『データ』)の出版が相次いだ。
『データ』と『ガイド』は、そもそも第6回日本伝道会議日本宣教170▼200プロジェクト編『データブック日本宣教のこれからが見えてくる』の後継事業として、共同作業で進められていた。そのため『データ』と『ガイド』は補完関係にある。
『データ』はカトリックやプロテスタント全体、世界や日本の宗教動向を視野に入れ、網羅的な統計情報を掲載。『ガイド』はJCE7の目的やテーマに即して、データの解釈、宣教方策の方向性を具体的に示す。両書を比較参照することで日本宣教の大要を得られるだろう。
『データ』が注目するのは「所属なき信仰者」の存在だ。「キリスト教のシンパ層」も考察する。カトリック、プロテスタント、各教団教派別、都道府県別の情報、受洗者数、CS出席者数、教職者・信徒の年齢構成も集計。『ガイド』の4章「地方宣教」の参考になる。『データ』4章「次世代の育成」、5章「教職者育成」、6章「異端カルト」、7章「在日外国人教会及び海外日本人教会の状況」、10章「デジタル化時代における教会」などは定義の整理に便利。これらの統計データは『ガイド』が最新となっている。他に『データ』独自の視点では8章「来日宣教師及び海外派遣宣教師・ワーカー等」、9章「宣教&防災ネットワーク」などがある。
今後の宣教データ作成の課題として、両書は、教団教派ごとに異なる統計調査の規格化、オンライン礼拝参加者の位置づけ、調査主体の育成、幅広いプロテスタントやカトリックの研究部門との協力などを挙げる。信頼関係に基づいた情報プラットフォームの構築が求められる。
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