「コロナ禍」にはどんな意味があったか。『教会と疫病 パンデミック下で問われたこと』(信州夏期宣教講座編、野寺博文・金道均・星出卓也共著、いのちのことば社、千210円税込、A5判は、宗教改革史、黙示録の講読、神議論などから考察。コロナ禍の「神議論」については、伝統神学から現代神学まで吟味し、現実の不条理さを直視し、神に問い続ける姿勢を示した。

 

中断、停滞の不条理は、老いを迎える全ての人の人生に起こり得る。『ロスト・イン・ザ・ミドル 中年期の迷いと神の恵み』(ポール・デービッド・トリップ著、古川和男訳、地引網出版、2千90円税込、四六判)は、そんな中年期の課題を、カウンセラーの著者が整理。対処法だけではなく、人生全体を包み込む偉大なストーリーである聖書に目を向ける。

 

牧会30年を迎え、不調と疲れを覚えた著者はヨーロッパに旅立つ。『魂の配慮に出会う旅 スピリチュアル・ジャーニー その後』(坂野慧吉著、いのちのことば社、千760円税込、四六判)は、旅先で各国の歴史と教会に触れ、信仰者たちとの出会いと再会から、人生を振り返る。幼少期、学生時代、結婚、牧会の開始…その信仰的な意味が明瞭になる。

 

80代に達する「アラ傘」(アラウンド傘寿)の牧師たちが、人生を振り返りながら、聖書をひも解く。『夕暮れに、なお光あり。』(小島誠志・川﨑正明・上林順一郎・島しづ子・渡辺正男共著、キリスト新聞社、千650円税込、四六判)は、そんなエッセイ、メッセージ集だ。体の不調など、老いや死を意識せざるを得ない状況も正直に吐露。一方で「年相応でなくてもいい」という多様な高齢者の在り方も示す。

 

「老いは光へ向かう道」だと『老い 人生の完成へ』(ヘンリ・ナウエン、ウォルター・ガフニー共著、原みち子訳、木原活信解説、日本キリスト教団出版局、千980円、四六判)は言う。世話、介護する側にも、自己の生に向き合うことを勧める。解説で木原氏は「若者と高齢者を隔てる壁を取り除く」と、本書の世代間循環的な視点を指摘する。

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