新連載「祈り」つなぐ~JCE7各集会から① 「次世代育成者のためのカンファレンス」上
全年代で「次世代」育てて
9月に開催された第七回日本伝道会議(JCE7)では四つのメインセッションや東海関連集会(10月1、8日号参照)ほか、14のプロジェクト、40以上の分科会、集会が開かれた。本連載では、プロジェクトなどの諸集会を、JCE7宣言文「『おわり』から『はじめる』私たちの祈り」(以下宣言文「祈り」)に沿って伝える。
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宣言文「祈り」は、「おわり」を見つめ、様々な宣教課題にふれて、「立場」「教派」「地域」「文化」を越えた宣教協力を「はじめる」ことを祈る。『第7回日本伝道会議 宣教ガイド2023「おわり」から「はじめる」宣教協力』(いのちのことば社)の注記・解説によって各プロジェクトや宣教課題と関連づけられている。この宣言文「祈り」に沿って、各集会をみることで、祈りの継続、具体化、行動につながるだろう。
1.『おわり』を見つめることができるように
宣言文「祈り」冒頭「1.『おわり』を見つめることができるように」では、地球全体や教会が直面している諸課題を概観。この諸課題は続く祈りにも展開する。
2. 立場を越えた宣教協力を「はじめる」
宣言文「祈り」の「2.立場を…」は「…若い魂が主と出会い、神に由来する自分の存在意義をはっきりと知ることにおいて健全に成長し…」とあり、各世代の課題を挙げる。
JCE7本会議終了翌日にオープン集会として「次世代育成者のためのカンファレンス」が開かれた。全体集会で中西雅裕さん(JCE7プログラム局長、ホーリネス・大阪キリスト教会、宝塚東キリスト教会牧師)が語った。
士師2章8~10節で、主を知らず、主のわざを知らない「別の世代」が起きたことに注目し、「次世代育成とは、単に教会や団体の存続のための働き手を育てるだけではなく、主のわざを経験した者として、その恵みを、次の世代に伝える義務と責任があるということ」と強調した。
「ウィズ・コロナ時代、以前のやり方に戻るだけではなく、終わるべきものを終わらせ、変化に対応しなくてはいけない。その手助けとして『宣教ガイド』がある」とも勧めた。
『宣教ガイド』5章は「次世代」がテーマとなり、「世代循環」という概念を紹介する。中西さんはその例としてホーリネス次世代育成プロジェクトを紹介。「どの年代も教会全体でかかわる必要がある。目の前にいる子どもの今を考えるだけでなく、彼らが成長して大人になって家庭を築き、子どもを育てていく。そのような循環の視野から次世代育成を考えて行きたい。宣教団体とも連携できます」
各教会でできることとして、①親への働きかけ:子どもを教会に送る保護者との信頼関係が重要。②結婚のサポート、独身青年へのサポート:出会いの機会やコミュニケーションを助ける。独身を選ぶ人や離婚・死別の人にも配慮する。③クリスチャンホームへのサポート:クリスチャンホームとは何かを聖書から問い、夫婦関係、信仰継承を考える、④シニアに期待:信仰歴、人生経験が豊富。礼拝し続けるその姿が励まし。孫、ひ孫を誘うことができる。子育てに悩む親の相談相手となる。⑤子ども中高生、青年たちへの働きかけ:キャンプ、宣教団体との連携、居場所づくり、社会に遣わされることの学びなど。日本福音同盟青年委員会で20代後半以降の社会人対象の集会を開いたことを紹介した。最後に「教会全体で次の人を受け入れ、育てていくことが大事」とまとめた。(つづく)
(2023年10月29日号 03面掲載記事)