毎年1月18~25日は、教皇庁キリスト教一致推進省と世界教会協議会(WCC)により「キリスト教一致祈祷週間」と定められている。1908年に行われた「教会一致のための八日間の祈り」に始まり、今日では、世界のプロテスタントとカトリックが祈りを一つにする期間となっている。

祈祷課題や資料は、毎年異なる国のキリスト教団体が作成する。今年は西アフリカのブルキナファソが担当。フランス発祥の「シュマン・ヌフ共同体」をはじめ同国の諸団体がエキュメニカルに協同し制作した。

同国ではジハード主義者の攻撃などで治安が悪化。医療や教育が破壊され、国民の20%のカトリック、6%のプロテスタントらも武力攻撃の標的になっている。一部国土は政府の支配下になく、教会は閉鎖を強いられ、公開の礼拝が困難になっている。

この状況下で今年のテーマ箇所には、ルカ10・25~37の、よいサマリア人のたとえが選ばれた。ブルキナファソの諸教会は、この緊張状態の中で一致祈祷の準備を担うことを「大きな挑戦」として受け止め、「すべてのキリスト者を結びつけるキリストの愛は、その分裂よりも強く」、「神の愛が暴力に打ち勝つと確信」と証しした。教会間に競争意識でなく相互理解が、文化的・神学的な分断にエキュメニカルな回心がもたらされ、平和と和解に奉仕する一致を願い求めている。

日本では今年も、日本キリスト教協議会(NCC)とカトリック中央協議会(CBCJ)が呼びかけ、一致祈祷週間が行われる。両団体は共同で、資料を翻訳した小冊子を発行。テーマ箇所の解説、「エキュメニカル礼拝式文」、「八日間の聖書の黙想と祈り」などが掲載されている。式文は、そのまま礼拝とするほか、平常の礼拝に組み入れて使うこともできる。黙想と祈りは、期間中の祈祷会だけでなく年間を通して、個人と共同体とを問わず、祈りの資料として用いることができる。


冊子はCBCJのウェブサイトから、PDFでダウンロードできる。

期間中、全国各地の教会で行われる特別礼拝や祈祷会の情報は、両団体ウェブサイトから。
▽NCC 日本キリスト教協議会
▽CBCJ カトリック中央協議会

【間島献一】

2024年01月21日号 03面掲載記事)