日本でも商業的なキャンペーンなどで「イースター」が浸透しつつある。イエス・キリストが死んで復活したお祝い、ということを知っている人もいるだろう。しかしそれを「自分ごと」にするとなると、導き手が必要だ。この春、イースターが人生にどんな意味をもつのか、という視点でのメッセージ集が、いのちのことば社から2冊刊行された。それぞれコンパクトな冊子で、自分自身の養いやプレゼントに活用できる。

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『ハッピー・イースター・トゥ・ユー!』は7人のメッセンジャーが、イースターにかかわる聖書を読み解き、それぞれの体験、視点を交えてわかりやすい表現で語る。「死んだら終わり」「転生して人生が変わる」といった死生観に対して、復活を信じて変えられた人生を示す。「生きていても死んでいるような日常」に対してもいのちある生活の希望を伝える。またエルサレム滞在がある牧師が、イエスの時代の背景も伝える。

1月に発生した能登半島地震で被災した人々へ思いを向け、13年前の東日本大震災直後のイースター(4月24日)メッセージも収録された。当時仙台で牧師をしていた吉田隆さん(現神戸改革派神学校校長)が教会で語った説教だ。

すでに「復旧」や「復興」という言葉が社会で飛び交っていたが、「大きな悲しみや苦難をあいまいにしていはいけない」と言う。キリスト教信仰の復活は「元のまま」に戻るのではなく、根本から作り変えられるものであり、「死のどん底から立ち上がる」ことだと励ます。さらに死ぬはずだった「土の器」が神の栄光のために用いられると勧める。その後数々の災害において被災地に立ち、寄り添う教会の働きが広がった原点もうかがえる。

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「イースターって何?」と大きくタイトルのついた『百万人の福音別冊 イースターメッセージ集』は3人のメッセンジャーがそれぞれの角度でイースターを語る。家族支援NPOにかかわる伊藤真人さん(東京FM・小金井教会牧師)は、神の救済計画の視点での歴史全体像、また一人ひとりの人生全体にかかわることとして、キリストの十字架と復活を語った。それは、三位一体の神の愛の中で、損なわれた人間性の癒やしと回復がもたらされるものだった。

仏教学、神道学にも詳しい勝本正實さん(社会福祉法人よつば理事長)は、「永遠のいのち」について神道、仏教と比較。キリスト教の信仰では、今現在において罪の赦しが確定し、与えられるいのちであり、「生きた信仰」となると解説した。

徳永大さん(JECA・門戸聖書教会牧師)は、劣等感、罪悪感、虚無感の中で、ただの偉人としてではなく、自らの救い主としてイエス・キリストを受け入れた喜びを語った。

 

『ハッピー・イースター・トゥ・ユー!』岸本大樹・照内幸代・小山大三・松尾献・菊池実・赤坂泉・吉田隆・安藤理恵子 著 いのちのことば社 550円税込、B6判、116頁

 

『百万人の福音別冊 イースターメッセージ集』百万人の福音編集部 編 いのちのことば社 220円税込、A5判、16頁