3月に開催された、ローザンヌ運動の若手リーダー大会「JAPAN YLG 2024」。本連載では大会の内容を伝える。今回は、一場茉莉子さんによるリーダーシップについての講演と、セス・キムさんによる世界宣教についての講演の要約。

リーダーには同世代の友が切実に必要

一場茉莉子さん(サンタバーバラ・ベタニヤ会衆派教会日本語部牧師)は大会運営委員として、大会テーマに込められた理念を語った。
―「旅の友になる」は、切羽詰まった思いで選んだ。多くの姉妹たちから、リーダーシップの中で傷つき踏みにじられたという相談を受け、その回復の歩みに伴わせていただくことが何度もあった。リーダーには友が、切実に必要である。
失敗してしまうリーダーの共通点の一つは、正直に分かち合う友がいないこと。クリスチャンであっても、成果や霊的であることについて互いに〝マウントを取り合う〟ような、世のリーダーと変わらない現実を見ることがある。
働きが祝されるのは素晴らしいことだが、それは神様が起こしてくださったこと。私たちが第一に目指すのは結果でなく、キリストの弟子となるという召しに忠実であること。生涯をかけて砕かれ造り変えられることを私たちは目指す。
私たちはいろいろなチャレンジに出会うが、結局一番大きな問題は私たちの内にある。罪、プライド、虚栄心、嫉妬、承認欲求、弱さ、疲れ、絶望、劣等感、挫折……これらをどのように取り扱っていただくかが、健全なリーダーとして歩むために大切だ。
だからこそ旅の途上で、正直に分かち合い祈ってくれる友、さばくのでなく神のあわれみの前に私たちを押し出してくれる友を持つことが重要。それも、若手と言われるうちに持つことが、とてつもなく重要である―

神は世代を通して宣教の御業をなさる

セス・キムさん(アライズ・エイジア共同創設者、副総裁)は、「私たちの神は、世代を超えた、世代の神」だと表現。神が「様々な世代を通して」御業をなさることを、聖書に見ることができる、とした。
「私たちが、この世代において神に仕える、ということに特別な力がある。この世代における神の目的が問われなければいけない。それは、若い世代が、福音の尽きることのない美しさを受け取り、世界の隅々にまで届けていくこと」
「私たちが地上を去るとき(使徒13・36)、使徒20・24のことばが私たち世代を表すものとなるよう、祈っている」と励ました。
アライズ・エイジア(2023年にタイ・バンコクで開催された青年宣教大会。同年8月20日号などで既報)創設について、「これは神が始めたこと」だと証しした。
―香港で仲間たちと、米国「アーバナ学生宣教大会」でいかに人生が変えられたか、アジアであのような大会が起きたらどうなるか、と夢を語り合っていた時、「まずこの香港から始めよう」という思いが与えられた。
民主化デモやコロナ禍により活動が難しくなり、一度は活動を休止した。ところが、迫害下にあり財政も厳しい地下教会が「若い世代の人が動いて、世界を変えてくれるのを見たいんです」と献金してくれた。その瞬間、「これは神様から来ていることだ」と確信を得た。
近い将来、日本でもアライズの動きが興り、日本から世界へ宣教が広がってゆくのを、祈り夢見ている―(つづく)

(2024年06月02・09日号 07面掲載記事)