6月5~7日、世界宣教教会(中城村)、白い家フェローシップチャーチ(読谷村)を会場に、韓国トンイルソマン宣教会主催、LOVE沖縄牧師会、Jブライド牧師会の協賛で、「北朝鮮宣教カンファレンス」が開催されました。初日から500人以上の参加者があり、脱北者で宣教会代表のイ・フィリップ氏をはじめ、ヒョンス・リム氏など6人の講師が登壇しました。北韓(北朝鮮)の現状については政治的、経済的、霊的にも厳しい状況であることが明らかになり、多くの参加者が驚きました。


イ氏

この使命の幕開けは、イ氏が公務で中国を訪れたことです。上官は彼に、中国の教会にいる北韓を裏切った者を探して逮捕することを勧めました。しかし、教会に行くと聖書を手渡されました。それを読み始めた彼は、非常に信じられない本だと思ったそうですが、さらに読んでいくうち、イスラエルの民の苦難が、まるで北韓の現状と重なっているように感じました。北韓も真の神様を知らなければいつかは滅びると考えたイ氏は脱北し、脱北後に訪れた教会が彼を温かく受け入れ、愛を持って接してくれたことをきっかけに、信仰を持ちました。彼は北韓に教会を建てる願いを持って神様のために奉仕する道を祈りました。聖書を深く学びたいという彼の気持ちをかなえてくれたのは韓国の宣教団体でした。しかし、彼は中国で逮捕され、北韓に強制送還されました。その時、彼は神様の保護がなかったことに不平をつぶやきましたが、神様が自分をその場に導いた目的があることに気づき、祈りを通じて平安を得ました。釈放後も個人的に宣教を続け、再び聖書の学びを深めるために再び脱北したのでした。

現在、イ氏は脱北者を支援するNGOを設立し、チャーチスクールを開校して人身売買から救出した脱北者を受け入れています。彼の願いは今も変わらず北韓に教会を建てることです。北韓は国境が閉ざされていて、外からのアクセスが困難な状態ですが、開かれる日に備えて教会の設立準備を進めています。もし教会が準備されていなければ、北韓が開かれたときに異教や異端の思想が侵入し、国が滅びる可能性があると彼は言います。

彼は、北韓全域に3万の教会を建てるビジョンと計画を持ちつつ、外国にいる北韓の人にも福音を伝えることに力を入れています。このようなカンファレンスが日本各地で開催されることで、日本と韓国が霊的な同盟を結ぶことを願っています。日本と韓国が主にあって一つの体、一つの民となり、お互いに力を合わせながら対北宣教を推進するパートナーになれると信じています。北韓は世界宣教の突破口になるだろうと彼は言います。その扉が開くと、中国、ロシア、そして次にイスラム世界、最後にはイスラエルへと宣教が一気に広がるというビジョンを持っています。

また、北韓宣教に献身した北韓出身のA牧師がその講演で、オープンドアーズの「ワールド・ウォッチ・リスト」の資料を示し、北韓がキリスト教迫害の最悪の国だと明らかにしながらも、神が北韓を愛しているというメッセージを伝えました。脱北後に信仰を持って牧師になった自分や、大規模な飢饉(ききん)によって多くの人が脱北し、そのうちの80%がクリスチャンになったという奇跡的な事件が、北韓が愛されている証拠だということです。

講演後、今回のカンファレンスに参加した脱北者を含む韓国のゲストが沖縄の牧師に手を当てて祝福を祈り、牧師はこれまで北韓について何も知らずにいたこと、祈らずにいたことを悔い改める時を持ちました。


ひざまずき手をつないで祈る、イ氏と参加者ら

沖縄で初めてのカンファレンスでしたが、神様が豊かに祝福してくださり、多くの方々が参加してくださったことに心から感謝いたします。また予算を超える200万円近い必要がすべて満たされ、さらには韓国の宣教団体に寄付が捧げられたことも喜ばしいことです。ハレルヤ。
(レポート・大城節子=沖縄バプテスト連盟ジョイチャペル牧師)


参加者集合写真

2024年06月30日号 04面掲載記事)