クリスチャンはどのように選挙と向き合うべきか。今年は世界的にも選挙イヤーとなり、新世代や女性など、新しい顔ぶれが台頭する一方、既存勢力が強権化する懸念もある。東京都知事選でもそうだが、選挙が「見世物」化しているのも特徴だ。米国大統領選の討論会が日本時間6月28日に実施され、波乱を呼んだ。本紙提携の米福音派誌クリスチャニティトゥデイが討論会前に配信した記事は、日本の政治と向き合う上でも参考になりそうだ。以下要約抜粋して伝える。

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6月27日には「大統領選討論会を観る際に避けるべき、燃え上がる情熱、耳のかゆみ、その他の落とし穴」と題して、ダニエル・ベネット氏(ジョン・ブラウン大学政治学准教授)が寄稿。

エレミヤ29章7節を引用して、「候補者について調べ、投票が自分や家族だけでなく、隣人や市民にどう影響を与えるかを考え、時には候補者間の討論に耳を傾ける」ことを勧める。

しかし筋書きがあったり、揚げ足取りに終始する現実の討論会は「責任ある政党政治の目標は達成できない」と指摘。二極化した政治によって、支持層が固定する問題もある。一方、「数パーセントの変動が勝敗を分ける」として討論会の意義を再確認した。そして以下の三つの提案をした。

①自分の傾向を知り、それに応じて計画を立てよう

:闘争的に政治に向かう傾向がある人は、謙虚さを強調し、敵と思われる人から学ぶ意欲を持ってこれらの討論を見る練習をしてほしい。政治の世界が絶望的に腐敗していると考えて、冷笑する傾向の人は、堕落した政治が隣人を愛する手段になり得ることに目を向けてほしい。

②ポジティブさを優先しよう

:反対する候補者から何か良い点を見つけよう。両候補から良い点を見つけてほしい。バイデンもトランプも悪の化身ではない。どちらも神の似姿に作られた堕落した人間だ。

③識別力を訓練し、真実を求めよう

:聖書の洞察力の精神で健全な懐疑心を養うことができる。活動家は、物語を作り上げたり、物語に合わせるために、しばしば虚偽を広める。

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28日には「大統領選討論会は未来への対応には役立たない」と題して、クリスチャニティトゥデイ編集長で、同誌公共神学プロジェクトリーダーのラッセル・ムーア氏が論評。

「討論会でほとんどの人が期待するのは、資格や問題についての理性的な議論というより、プロレスのような瞬間」と指摘。

「候補者が実際にどのような立場をとっているかを知ることよりも、どのように立場を表明するかを見ることのほうが重要な場合がある。大統領選の討論会には一定の価値があるが、本当の問題はもっと長期にわたるものであり、過去にまで及ぶ(候補者の人生に示された正直さ、誠実さ、真摯さ)、そして未来にまで及ぶ(現在では想像もできない問題に対処するこの人物の性格特性、直感、知恵をいかにして最もよく予測できるか)」と述べた。

 

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