第四回ローザンヌ世界宣教会議(9月、韓国仁川、オンライン)に向けて、毎週配信中の「ローザンヌ運動ポッドキャスト」(URLlausanne.org/podcast-series/lausanne-movement)から主要な論点を紹介する。第33~36回(5~6月配信)は祈り、次世代、中東、女性の視点から。

 

前回

基礎の浸食を防ぐ 神、人、被造物の関係性で 第四回ローザンヌ世界宣教会議への旅⑩

 

 

第33回配信は国際的な祈りの運動「インターナショナル・プレイヤー・コネクト」代表のジェイソン・ハバードさん。大宣教命令(マタイ28・19、20)において、「イエスは最初と最後で自分の権威と存在を語る。大宣教命令の中心はイエス。神はご自身と私たちを結び付けたい。神と私たちとの親密な関係があって初めて、私たちは弟子づくりを祈ることができる」と励ました。

イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教、という4大宗教のための祈りや、福音宣教が進んでいない世界110の都市のための祈り、などを全世界のイエスの弟子たちに呼びかけている。中東など複雑な政治状況の国々について、「政治的な意見が異なっても、イエスの至高性で一致できる。世界中に聖書、信者、教会が必要であることは同意できるはず」と祈りを励ました。

第34回配信はメディアテクノロジー企業「アウトキャスト」代表のリッキー・ジョージさん。教会のデジタル活動をサポートしてきた。「若者にとって最大の葛藤は、自分の話が理解されていないのに、反応だけ返ってくること。指導者の皆さん、次世代の意見に反応するのではなく、理解するために傾聴しましょう」と語った。

300人のフルタイムのメディア宣教師育成をめざす「アウトキャストアカデミー」も設立。「かつての宣教師たちが、教会、病院、学校を建てたのと同様に、現代ならばコミュニティーを支援するデジタルアプリを構築できる。初代教会のように人生のさまざまな人々のニーズに貢献することが大宣教命令に影響を与える」と述べた。

第35回配信は、Z世代を中心に展開する「ハウ・トゥー・ライフ」運動創設者であるジョーダン・ホイットマーさん。高校卒業前に、10代による10代のための伝道イベントを企画。米国の地元の町での働きが他の州、国、欧米、アジア、アフリカに飛び火。「北米では多くの若者が、高校卒業後に教会を離れる。教会に留まる人の理由の一つは、有意義な奉仕の機会があったこと。若者の信仰を励ますことで、彼らの人生に永遠の影響を与える」と語る。

活動が世界に波及した理由は、インスタグラムやTikTokで発信したこと。各地で同運動のリーダーが生まれている。「時代を超えた福音の真実は本物。Z世代にも存在し続けている」と話した。

第36回配信は、ベツレヘム在住で、アラブを代表する神学者であるグレース・アル・ザフビ・アーティーンさん。神学教育に携わるアラブ女性が不足していることに注目し、中東におけるアラブのプロテスタント女性に対する神学教育の調査研究をしてきた。イスラム教徒の女性の宗教教育について多くの文献があることを示し、「イスラムの文脈の中で『リバイバル』があった。私はもっと多くのアラブ系キリスト教徒女性が立ち上がるのを見たい」と述べた。神学教育全般についても、「教会と神学教育は、中東で始まった。そのことを世界の教会は思い出してほしい」と勧めた。

また中東における「平和」や「和解」についてイエスの言葉に注目し、「平和は平和の君からのみ、もたらされる。イエスの足跡をたどりたい。それを行うのに中東以上に適した場所はない」と語った。【高橋良知】

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