左から、和装で登壇したオーさん(3日目)、「YLG2026」委員の一場茉莉子さん、5日目「韓国ナイト」で祝祷した高見澤栄子さん、6日目「和解」の集会で賛美した長沢崇史さん、最終日聖餐式で共同司式をしたイさんと倉沢正則さん

2050年を見すえ、世界最大規模で宣教を考える、第四回ローザンヌ世界宣教会議が9月22日から28日まで、韓国仁川の松島国際会議場で開催された。大会テーマは「教会はともにキリストを伝え示そう」。世界約200か国から約5千400人が集い、連日「使徒の働き」のメッセージに耳を傾け、世界各地の多様な宣教課題を共有した。同会議前からホームページ、動画、専用アプリなどを通じて多くの情報が提供され、大会後も継続的な協働(コラボレーティブ・アクション)が期待される。

22日開会式では、会場全体を取り囲むような巨大なスクリーンに、宣教のイメージが次々と映し出され開幕。ダンス、現代的な賛美、韓国の伝統楽器、デジタル演出などで会議を祝った。韓国準備委員会代表 (大会委員長)のイ・ジェフンさん(オンヌリ教会主任牧師)は、韓国のプロテスタント宣教を振り返り、同会議の韓国開催を歓迎した。世界の対立、テクノロジーの発展、宣教の「多中心性」、という現状を踏まえ、謙虚な姿勢での協力を勧めた。

世界ローザンヌ運動総裁のマイケル・オーさんは、1974年の「ローザンヌ誓約」から「失敗」「悔恨」「未完成の状態にある伝道のつとめ」などを引用し、「50年たった今も使命は残る。最も危険な言葉は『私にはあなたは必要ない』だ。競争ではなくコラボレーションを」と励ました。

7日間、午前は、聖霊、宣教共同体、迫害、職場、リーダーシップ、地の果てまで、といったテーマで聖書講解や主題講演。昼には多様な分科会、集会が開催。夜はローザンヌ運動50周年記念会や韓国歴史ナイト(教会の歴史や今日の課題を伝える朗読劇)などの祝祭があった。
登壇者は国籍、人種、男女、世代のバランスが配慮されていた。司会は若い世代の男女が担った。

事前に公開された宣教情報データ「大宣教命令の現状報告」から宣教における「25のギャップ」が抽出され、それぞれの分科会が催された。ほかにも「職場集会」、「北朝鮮問題集会」、地域ごとの集会、など多様な集会が開かれた。

デジタル分野も積極的に取り込み、会場参加のほかに、オンライン(VX)参加、動画配信、専用アプリ、コラボレーティブ・アクション専用サイトなどが活用された。IT関係諸団体によるブース「デジタル・ディスカバリー・センター」も特設された。

世界のリーダーたちの聞き取りも踏まえ、ローザンヌ神学作業部会がまとめた「ソウル宣言」は、同会議開幕と同時にオンライン公開。福音、聖書、教会、人間、弟子、平和、テクノロジーの七つの見解が表明された。会期中、宣言について様々な意見を交わす参加者の姿があった。日本関係者は90人近く参加。メインステージでの活躍(写真上参照)もあった。(同会議について詳細次号以降で

2024年10月13日号 01面掲載記事)