時は明治時代。女性は男性の付属品のように扱われていたころ、一人の女性が銀行、生命保険会社の設立、炭鉱開発、そして女性の地位向上のために奔走していた。この女性が、今放送中のNHK連続テレビ小説「あさが来た」の主人公・広岡浅子である。
男勝り、女丈夫、という異名も多い浅子。恐いものなど何もないように見えたかもしれないが、「わたしの過去は全く家の犠牲だった。わたし個人としては不幸なさびしいものです」(『婦女新聞』(大正8年)と書いていた。キリスト教に惹かれたのも、第一線で世の中と闘ってきた彼女だからこそ、心の飢え渇きがあったのではないだろうかと思わされる。【フリーライター・中尾祐子】(詳細は2016年1月3,10日新年特別号で)

浅子