1月31日号2面:「日本の花嫁事件」巡り戒能氏講演 社会との分離問い直す 4月宗教改革記念・日独教会協議会へ向け
NCCドイツ教会関係委員会(菊地純子委員長)は、日本プロテスタント史研究者の戒能信生氏(日基教団・千代田教会牧師)を講師に公開セミナー〈教会と社会を考える〉を昨年11月6日、開催。富坂キリスト教センターの共催で、会場は同所。4月に東京で開かれる日独教会協議会(主題:「いま、宗教改革を生きる−耳を傾け共に歩み」)へ向けた準備企画の1つだ。
戒能氏は『テーマの中の「共に」とは誰となのか、キリスト者たち、そうでない隣り人、すなわちこの世の人達、アジアの人達なのか』、とまず問い、教会と社会の関係について問題提起を行った。宗教改革後、ルター派の信仰信条となったアウグスブルグ信仰告白第7条は、教会の指標を、「福音が純粋に説教され、聖礼典が正しく執行される聖徒の集団」とする。しかし、カール・バルトは説教と聖礼典だけでは「教会は自己目的な存在に陥る。『世のためにある教会』という新しい指標が付け加えられるべき」(『教会教義学』第4部和解論)と批判。隅谷三喜男は著書『近代日本の形成とキリスト教』で明治期キリスト教を、①個人主義、②社会主義、③教会主義、3つの方向性に分類。植村正久は結局教会を社会から切り離したと言えるとした。【高橋良知】
1月31日号2面へ