ストライパー(STRYPER)
カルフォルニア州出身のリードヴォーカルとギターのマイケル(弟)にロバート(ドラム : 兄)のスウィート兄弟と、リードギターのオズ・フォックス、ベースのティム・ゲインズらが1983年に結成したクリスチャン・メタルのロックバンド。マイケルのハイトーンの歌唱を生かしたメロディアスなヘヴィメタルは、聖書とキリスト教をバックボーンにした歌詞とともに80年代LAメタルシーンでは異色な存在感を示していた。
バンド名のストライパーとは、イザヤ書53章5節”He was wounded for our transgressions, He was bruised for our iniquities: the chastisement of our peace was upon Him; and with his stripes we are healed. “(しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた。彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、彼の打ち傷によって、私たちはいやされた。)の“stripes”という単語に由来する。この聖書個所(ISAIA 53:5)は、彼らのいくつかのアルバムのジャケットにも黄色と黒のストライのプバンドロゴとともに描かれている。
’86年にリリースした3rdアルバム“To Hell With The Devil”は、彼らにとって初めてのゴールデン・ディスクになり、収録曲“Calling On You”“Honestly”などのヒット共にミリオンセールを達成。’88年リリースの4thアルバム“In God We Trust”もゴールド・ディスクを獲得した。日本には’85年、’87年、’89年に来日。日本武道館での公演も果たし、ステージから客席に聖書を投げ入れるパフォーマンスが話題になった。
’92年に一度解散したが、2003年に再結成ツアーを行ない翌年にはその公演を収めたライブアルバム“ 7 Weeks -Live In America-”をリリースした。その後、ベースのティムが一時バンドを離脱、マイケルも一時ボストンのサマーツアー(2008年)に参加するなどしたが、’09年にティムが復帰し25周年ツアーを行なった。この’09年のツアーの途中に日本での公演も噂されたが、実際には’11のLOUD PARK11に参加し22年ぶりに日本で演奏、さいたまスーパーアリーナの観客を最盛時と変わらないマイケルの音質と声量でハードロック&ヘヴィメタファンを熱くさせた。
2016年4月15~17日の単独来日公演「STRYPER “Yellow & Black is Back” Celebration Tour in Japan」では、LOUD PARK11では演奏されなかった“Always There For You”や“Honestly”といったラブソングも15日大阪と16日川崎でのステージ「オールタイム・ベスト」のセットリストで聴けるのではないかと期待される。また、17日の最終公演は、彼らがプラチナディスクを獲得した3rdアルバム「To Hell With The Devil 30周年記念プレミアム」でステージが構成される。27年ぶりの単独来日公演に期待が高まっている。 【遠山清一】