安倍晋三首相が2017年1対4日、伊勢神宮を参拝したことを受け、政教分離の侵害を監視する全国会議(西川重則事務局長)は同日、「首相の伊勢神宮参拝に対する抗議声明」を出した。内容は以下の通り。

 安倍晋三首相は、信任後初めて迎えた新年である2007年1月4日午後、伊勢神宮参拝を行いました。その後も首相として参拝を繰り返し。2017年1月4日にも参拝を行いました。私たちは、以下の通り、強く抗議の意思を表明します

一.伊勢神宮は、特定の宗教団体・宗教法人であり、特定の宗教活動を行っています。伊勢神宮を構成する皇受大神宮(外宮)とも特定の宗教施設であることは言うまでもありません。
 したがって、首相が伊勢神宮に参拝することは、靖国神社への参拝と同様に、日本国憲法第20条に明記されている「国及びその機関は…いかなる宗教的活動もしてはならない」との定めに明らかに違反するものであり、私たちは上参拝行為に対して強く抗議せざるを得ません。

二.首相は、憲法第99条「憲法尊重擁護義務」を忠実に果たすことによって、憲法に基づく政治を行うことが求めラエr手いるのであって、悪しき習慣となっている伊勢神宮参拝を繰り返すことは、厳に慎むべきであります。憲法第15条に定める「全体の負う死者であって、一部の奉仕者ではない」との公務員の義務・責任を無視することは許されません。

三.伊勢神宮参拝は、日本の歴史や伝統と不可分の関係にある「天皇の神宮」への参拝であって、何ら問題視すべきではない。高齢の「初詣」に過ぎない、と言った一部の者の声が聞かれますが、戦前・戦中軍国主義の精神的支柱でもあった国家神道体制における伊勢神宮の果たした中心的役割は、今もなお精算されていません。
 日本国憲法下の今日において、国際儀礼からも、外国の国賓が伊勢神宮参拝を行うことは許されません。1975ンrンに来日されたエリザベス女王が、日本国憲法の政教分離を重視し、参拝を拒否されたことは周知の事実でしょう。アジアを始め、外国の国々との信頼を回復するためにも十分配慮し、守るべき重要課題でることを銘記すべきであります。

 私たちは、以上の理由により、首相の伊勢神宮参拝に対して、強く抗議の意思を表明するものであります。

                 2017年1月4日 政教分離の侵害を監視する全国会議 事務局長 西川重則

内閣総理大臣 安倍晋三殿