2017年12月03日号 03面

東北アジアの青年たちが、国境を越えた交流を通して相互理解を深め、福音と恵みの喜びを宣べ伝えていくことを目指す「eAst21asia」(代表朴大信神学生)の第10回国際会議が、11月3日、東京千代田区の日本基督教団富士見町教会を会場に、開催された。

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10年目を迎えた今回のテーマは「『ReJoice!』〜10年目の教会像、ここからのVision〜」。青年を中心に、日本、韓国、中国、台湾にルーツを持つ教会関係者約80人が参加し、各々の母語で神様を賛美した。【髙橋昌彦

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 開会礼拝では、日本ホーリネス教団坂戸キリスト教会牧師の郷家一二三氏が、「終わりの時に霊をすべての人に注がれる神」と題して使徒2章17節から説教。「東アジアの社会情勢が緊迫する中、この地域のキリスト者青年同士の交わりは重要性を増している」

として、

「聖霊を注がれて、十字架の福音、神の言葉を語り合って欲しい。和解は主イエスの十字架によってなされるもの。神を畏れ、聖霊なる神に信頼しよう。この集いにあって、聖霊に導かれた交流が生まれ、真実な語り合いがなされるように願っている」と語った。

 昼食をとりながら交流を深める中、今までこの働きを支えてきた牧師、信徒が挨拶。その一人松本周氏(日本基督教団中京教会牧師)は「この働きは青年主体。10年間で、神様が様々な教派を超えた会に成長させてくれた。今日から祈って欲しいことは、いつかこの会議をピョンヤンで開くこと。かつて東アジアのリバイバルが始まった場所でげられた祈りなしに、今の韓国の教会も日本の教会もない。私たちには祈る責任がある」と語った。

 午後のセッションでは、日中韓から、宣教に携わる3人が証し。「宣教は牧師だけのものではない。キリストによる和解は、神との和解であり、同時に人との和解。両者を切り離してはいけない。信仰の先達に連なる者として、信仰を個人的なものに囲い込まないように」「相手を宣教の対象としてだけ見ているのではいけない。何よりも愛すること、その人と同じようになることが大事」「宣教は神の働きであり、自分に何ができるかではない。祈りから始まる教会の働き」と、それぞれ語った。

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 その後、グループ討議を経て各自が「私のミッション」を木の葉に見立てた紙に書き、講壇横の「木」に貼り出すと、それを受けて代表の朴神学生(日本基督教団千歳船橋教会)が、Ⅰコリント1章18〜25節から閉会礼拝の説教。「この10年間、いかにして教会本来の姿を取り戻すか、日常の中で、一教会、一教団でもなく、アジアの地平でそれを描こうとしてきた。それは、小さな祈りから始まった。人間にとってはおろかな十字架の言葉が、宣教という愚かな手段によって人を介し、教会を通して歴史の中で今日まで生きつづけてきた。歴史の中で起きた十字架の出来事が人生の中で起きるとき、神との永遠の交わりが示され続けてきた。神のほうから真の交わりを求めておられる。私のミッションは何か、私たちは今応答した。十字架の言葉が隔ての壁を砕き、主にある和解をもたらし、交わりの一致から、自分の希望を求めるのでなく、神の物語の中に自分がいかに描き出されるのかを、証ししていくことができるように」と語った。