2017年12月10日号 04・05面

日本人人口は依然減少
大都市増加による地域格差拡大

01 本紙が毎年実施している全国の教会教勢調査の結果報告を掲載した『クリスチャン情報ブック2018』版が、11月30日に発行された。同報告によると、全国のプロテスタント教会は、昨年の調査より14教会減少し、7千896教会・伝道所(以下、教会)で、1教会あたりの平均教会員数は62・4人、平均礼拝者数は39・2人であった。日本人住民の人口は減少数となるなか、依然外国人住民は増加傾向が続いている。
【情報ブック編集室】

『クリスチャン情報ブック2018』の教会アンケート調査は、2017年度版の登録教会を基本に、約8千教会および教団・教派、事務所などを対象に実施した。調査期間は17年2月下旬~3月末日とした。この特集では、同アンケートおよびEメールなどで寄せられた教会の教会員数・礼拝者数を集計し、各都道府県の人口推移との関係を中心に中間報告としてまとめた。なお、人口は17年1月1日現在の住民基本台帳人口である。
今回の教会教勢調査では、全国のプロテスタント教会・伝道所(以下、教会)数は7千896件(前年比14減)、1教会あたりの平均教会員数は62・4人(前年比0・2ポイント減)、平均礼拝者数は39・2人(前年比0・2ポイント減)という結果となった(表1参照)。

人口15万9千125人減
外国人住民は増加

02 人口は日本人住民と外国人住民の総計で1億2千790万7千86人。内訳は日本人住民が1億2千558万3千658人、外国人住民が232万3千428人であった。前回から総人口で15万9千125人減であった。日本人住民は、前年に比べ27万1千834人減少で、2009年をピークに8年連続で減少している。昨年は、現在の住民基本台帳制度創設後最大の減少数であったが、今年はいくぶん緩和された。外国人住民は、前年に比べて15万9千125人、6・85%増加となっている。
総人口の最も多いのは、東京都の千353万53人、続いて神奈川県915万5千389人、大阪府886万1千437人と続く。少ないのは鳥取県が57万5千264人、島根県69万6千382人、高知県73万2千535人と続く。地域別にみると人口が増えているのは関東のみである。県別にみると、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、滋賀県、福岡県、沖縄県が人口増加で、他39県は減少している。東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋圏(岐阜県、愛知県、三重県)、関西圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)の三大都市圏の人口が総計で全国人口の51・73%を占め、大都市への人口集中傾向が続いている。
日本人住民で人口が最も多いのは、東京都1千304万3千707人で、次いで神奈川県896万9千530人、大阪府864万6千380人となっている。日本人住民人口が最も少ないのは、鳥取県57万1千173人で、次いで島根県68万9千603人、高知県72万8千616人と続く。外国人住民人口が最も多いのが東京都48万6千346人で、次いで愛知県21万7千218人、大阪府21万5千57人である。外国人住民人口が最も少ないのは、秋田県3千637人で、次いで高知県3千919人、鳥取県4千91人であった。
総計に占める外国人住民の割合の大きいのは、東京都、愛知県、大阪府の順で、割合の小さいのは、青森県、秋田県、宮崎県などとなっている。
外国人住民は、全ての都道府県で前年と比べて増加した。人口増加数が最も多いのは、東京都(3万7千304人)で、次いで愛知県(1万5千506人)、埼玉県(1万2千702人)となっている。外国人人口は愛知県が大阪府を上回った。
減少し続けている日本人住民に対して、外国人住民の増加は続いている。過去、短期間で増減が変動したこともあり、変化の影響を受けやすい傾向がある。多様な背景を有する外国人住民に、教会がどのようにかかわっていくのかが課題になりつつある。

全国教会数14減
減少幅は拡大

03 今回の調査での教会数は、全体で14減となり、閉鎖・合併・活動休止などで、前回の65教会から79教会へと減少幅が拡大した。
教会数の増減を地域別に見ると、北海道2、中国・四国2の増加のみであった。減少しているのは、地域別では前回唯一の増加だった関東が12、中部3、九州・沖縄2、近畿1のそれぞれ減となった。
県別にみると、東京7、埼玉4、福島と静岡が3のそれぞれ減と続く。宮城5、香川2、秋田、群馬、神奈川、長野、岐阜、奈良、広島がそれぞれ1の教会増で、神奈川以外はすべて人口減少エリアだった。
神奈川以外の人口増加エリアでは、千葉が前回と同数だった他、埼玉、東京、滋賀、福岡、沖縄で教会減となった。
県別の人口を教会数で割ってでる一教会当たりの人口が最も多いのは(表1参照)佐賀県の2万6千186・8人で、続いて富山県2万4千425・1人、岐阜県2万4千026・3人、新潟県2万3千967・9人などとなっている。
一教会当たりの人口が少ないのは沖縄県の6千887・7人、香川県1万1千211・4人、鳥取県1万1千505・3人、 京都府1万1千895・4と続く。

県別に平均教会員数を比較してみると、最も多いのは東京都で110・3人。次いで神奈川県87・9人、大阪府80・5人。平均教会員数が最も少ない県は福島県31・0人、岩手県31・1人、青森県31・5人と東北が続く。平均礼拝者数の最も多いのは東京都の64・5人で、最も少ないのは島根県の16・0人だった。
信徒一人あたりの未信徒数が、最も多いのが佐賀県782・0人、次いで富山県730・1人、岩手県702・7人と続く。信徒一人あたりの未信徒数が少ないのは、東京都120・7人、沖縄県129・9人、兵庫県155・5人であった。