03ユダヤ人
ユダヤ人の歴史と思想(黒川知文著、ヨベル千890円税込 四六判)

 西欧キリスト教文化圏でなぜ、反ユダヤ主義が生まれ、ホロコーストにまで至ったのか。センセーショナルに報道されがちな、現代のイスラエル・パレスチナ問題だが、その背後にあるユダヤ人の歴史を概観できる。中間時代、中世から近代まで。ユダヤ教とキリスト教のメシア観の違い、迫害だけでなく、共生の歴史にも目を向け、将来を展望する。

05パウロ

『パウロの弁護人』(ゲルト・タイセン著 大貫隆訳 教文館 4千104円税込 四六判)

 神学者による小説。神学、哲学的な議論、対話、往復書簡などを中心に構成されるが、主人公はユダヤの娘に恋をして悩む、古代ローマ人の若き法律家。自身の課題に葛藤しながら、獄中のパウロと向き合い、初代教会の人々と出会う。ローマの哲学・社会思想、ユダヤ人の信仰、キリスト信仰、またそれぞれの諸派の思想がぶつかり合う。小説仕立てによって、ローマ社会の人々のテーマが、生き生きと浮かび上がり、楽しみながら、信仰、思想のテーマを考えられるようになっている。注で史実や基づく聖書個所を確かめられる。

06npp

   『「パウロ研究の新しい視点」再考』(ローネリス・P・ベネマ著 安黒務訳 千404円税込 いのちのことば社 B6判)

 「パウロの福音理解の中心的主題は義認か」「ユダヤ教との関係はどうか」「律法の行いとは」。宗教改革者たちの義認論について、異を唱える「パウロ研究の新しい視点」(NPP)が日本の神学の領域でも議論になっている。本書はNPPについての慎重な視点による入門書。宗教改革者たちと、NPP論者、E・P・サンダース、ジェームズ・D・G・ダン、N・T・ライトの論点を整理する。約100頁でコンパクトだが、根拠を確認できる注は豊富。

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○『牧師という生き方』『変わらない主の真実に支えられて』『「主の祈り」を生きる』2018年10月3日
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