11月18日号紙面:青年伝道座談会⑥ 教会で「献身者」を養えるか NSDⅡ、リフォユース、J+Passion代表者で
(前回つづき)
写真=左から野田、増田、佐野の各氏。東京・千代田区お茶の水クリスチャン・センター内の東京グレイスハウスで。
佐野 青年大会の中に若い牧師たちもたくさん入っていますか。
増田 J+Passionの45歳制限ではないけれども、昨年の中高生大会では、直接子どもたちに関わるのは20〜30代にしようと考えて声かけしました。すると70人近く集まりました。私がむしろ最高齢の方です。これから若い牧師にどんどんやってもらいたいですね。牧師だけが献身者ではないけれど、やはり牧師の献身者を育てることも一方では考えていて、リフォユースの目的の1つに献身者を立てることを挙げました。
野田 各教団では、若い献身者が生まれる道筋、キャンプなどで指導を受けたりなどが、あるんですか。
増田 神学校の先生に案内してもらったり、献身の勧め、証し、牧師の仕える喜びを語ってもらうこともあります。有志団体や神学校主催のキャンプなどで、若い教職にふれる機会もあります。
佐野 キャンプ、青年大会、全国的な集会などで招きの時間をいつも入れています。最近は、そのような大会の前から、別の機会に献身の思いが与えられているケースがあります。学生を卒業してすぐ神学校ということだけではなく、社会人の経験の後、献身する人もいて、私たち40代もそのように様々なルートで増えてきました。
野田 僕らは大きな教団ではないので、自分の教会で働く人を育てるという意識になるのですが、皆さんの教団では、出身教会と別の教会に遣わされることが多いですか。
佐野 ほとんどそうですね。
野田 教団全体の中で献身するということですね。
増田 そうですね。
野田 ペンテコステ派だと、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団などは違うかもしれませんが、単立の傾向が強く、自分たちの教会で働くイメージがあります。しかし、現実に考えると生活を支えられないという悩みがあります。子どもや若者でにぎやかでも、教会全体が成長しないと次の器を育てていけないという課題があります。
増田 日基教団の場合、1人の牧師が2つ、3つの教会を兼牧するということや、教会の合併ということが起きて来ています。一つの教会では教師の生活を支えられない状況はあります。
佐野 単立だと後継者について切実ですよね。同盟教団でも、教職を持ちながら、hi-b.a.(高校生聖書伝道協会)やKGK(キリスト者学生会)のスタッフをメインに奉仕して、教会に協力するという方がいます。同盟教団でも自分の母教会で奉仕できないということではありません。ずっと自分のところだけでなく、他のところで修行したらいいという面もあります。
野田 「教会に献身」というよりも、「イエス様に仕えていく」ことですからね。
佐野 下の世代の牧師と働くときに気をつけていることはありますか。
増田 若い牧師とともに働くときは、こちらの思いを頭ごなしに言うというよりは、若い人たちの発想を大事にします。脱線しそうなときは、こうだよと声かけしますが、基本は見守り、育てていく責任があるかなと思います。
野田 J+Passionでも同じですね。準備委員会は私よりも10歳くらい下の世代が多いのですが、基本は皆がのびのびできるようにしています。皆アイデアが柔軟で、私なんか思いつかないことを思いつきます。「それはどうかな」と思ってしまうこともありますが、あまり言わず、「いろいろやってみて失敗してもいいからやってみて」と励ましています。45歳制限のため、来年の集会で私は卒業となるのですが、次の代表が課題です。メンバーたちは、思いはあっても、それぞれ各教会の伝道師やユースパスターなどの立場。「超教派大会の代表として前面に出るのはまだ早いのでは」という心配も受けたりするのですが、悩ましいところです。
増田 若い人の発想はすごいなと思います。ホームページやチラシを作ってもセンスが違う。もちろん大きな方向性は実行委員で決めますが、どんどんやってもらいたいですね。リフォユースでは、急きょプレ集会をするなど、「うわあ無茶するな」と思うこともありましたが、やりました。でもやってよかったですね。(つづく)
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