11月18日号紙面:すべての職業が用いられる 飯田岳さん(東京フリー・メソジスト・南大沢チャペル牧師) NSDⅡへ 青年と“神の国”を考える(4)
前回は → 「生きる目的」を見つける 山本陽一郎(同盟基督・多治見中央キリスト教会牧師)さん
第2回日本青年伝道会議(NSDⅡ)青年大会2人目の講師を務める飯田岳さんは、東京・八王子市の東京フリー・メソジスト・南大沢チャペルに着任して約1年半。同教会は開拓が始まって約20年が経つ。「この地で救われた人も多く、若い雰囲気の教会」と話す。
多摩ニュータウン西部にある南大沢地区は、約30年前に開発が始まった。現在バラエティー豊かな商業施設、大学などに囲まれている。南大沢チャペルの開拓の背後には、南大沢在住の夫妻たちの祈りがあった。今は2部礼拝で出席者70〜80人ほどに成長し、幅広い年代が集う。「何か行事をやろうとすると生き生きと『伝道しよう』という雰囲気になる。私も妻も青年時代にチラシ配りなどのお手伝いをしたことがあり、今、ここにいることに神様の不思議な導きを感じています」
青年伝道で大切にしていることを聞いてみた。「献身者不足、教会の維持ということではなく、伝道の本質を伝えたい」と言う。「伝道は、まずイエス様がそれを求めていること。そしてすべての人に福音が必要であり、私たちがそれに召されています」
NSDⅡでテーマになった「神の国マインドに生きる」に注目する。「牧師になることだけが献身ではなく、教師、ビジネスマン、主婦、芸術家、アスリート、医療、福祉など、すべての職業で神の国を広げていくことが求められている。直接的に御言葉を伝えることは必要だが、それは神の国を広げる働きの中の1つです」
1人の看護師の証しを例に挙げた。現場ではイエスや神について語ることはできないが、患者に寄り添うことを通して、イエス様の愛を伝えることができたという。「聖書でも、信仰を持ったローマの百人隊長がいる。ローマではイエスを神の子と言えない状況もあったはず。しかしイエスは百人隊長にその仕事を辞めるようには言わなかった。その職業を通して遣わされている。伝道には時間がかかる。神の国のマインドで、派遣意識をもって、その場で神の国を広げる青年が必要です」
「神の国は近づいているが、完成はしていない。今は『すでに』と『いまだ』のはざまにいる。それが、この世界の様々な疑問に回答を与える。私の人生、心だけの救いではなく、神の国の完成がある。そこに希望がある」とも語った。
「神の国のメッセージは、教団教派の壁を超えて協力する励ましにもなる」と言う。「自分のグループ、他のグループという視点になりがちだが、神の国という視点では一緒に協力できる。神の国のメッセージは思想ではない。ただ知っているだけではなく、実際につながっていかないといけない。それが普段とは違う非日常の場でメッセージを聞く意味がある。NSDⅡで、1つの神の国を体験し、同世代たちと賛美し、励まされるはずです」
飯田さんはJEA(日本福音同盟)の青年委員会のメンバーでもあり、NSDⅡの準備にも直接かかわってきた。「今年は、さまざまな青年大会があったが、NSDⅡの特徴は一晩ではなく、集会ではなく、3日間の集会であること。宿泊がないキャンプ。また福音派の広い範囲の教団教派が集う。同世代のクリスチャンや、年上の信仰のモデルとなる人たちに出会うことができる。社会人で神の国マインドで生きる人に出会うとインパクトがあります」
「何よりも神様の本命は教会」と強調。「神様の最終兵器は教会。大会を終えれば教会に戻る。青年が養われる場は教会。教会に励まされないとNSDⅡは実現しない。ぜひ、教会が青年を励まして送り出してほしい。教会こそがNSDの中心。教会に益になっていきたい」と語った。 (つづく)【高橋良知】
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