10月28日号紙面:若者の元に入っていく 蔦田聰毅さん(日本福音同盟青年委員会委員長) NSDⅡへ 青年と“神の国”を考える(1)
第2回日本青年伝道会議(NSDⅡ、11月22〜24日、日本福音同盟[JEA]青年委員会主催)開催をきっかけに始まった本連載。前半は、「青年と教会を考える」と題して、各教団教派の青少年への取り組みを紹介した。NSDⅡのテーマは「神の国マインドに生きる」。連載後半は、“神の国”をキーワードに、NSDⅡの登壇者らに話を聞く。【高橋良知】
前回の記事はこちら→ 共に教会を考える機会つくる 日本長老教会の取り組みから NSDⅡへ 青年と教会を考える(7)
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JEA青年委員会委員長の蔦田聰毅さん(インマヌエル堺キリスト教会牧師)は、地元の小学校や民間の小学生クラブチームでサッカーのコーチを10年以上してきた。
もともと自身も中学時代サッカー部に所属していた。青少年伝道を課題にしていた現教会に赴任して、健康と地域とのつながりを求め、地元のフットサルチームに参加。その人脈から小学校のコーチを紹介され、働きが広がった。
現在までに200人くらいの子と関わり、通りで声をかけられることもある。シニアリーグのチームにも所属した。「多くの人が牧師に初めて出会う。いきなり伝道するような関係ではなく、友だちとして関わりが広がっています」
関わる子どもの家庭問題、地域課題も見えてきた。しかし子どもたちと関わる中で、「様々な変化はあるが、『この人は自分を愛してくれる』と分かると心を開いてくれる。それは変わらない」と実感している。授業をボイコットするような子が心を開き、思いやクラスの状況を聞くこともある。時代の変化として気づく点は「学校の先生は、様々な配慮で、昔と比べて強く叱れないことがある。子どもたちも、それを見越した態度を取ることがある。私は、暴力はしないが、たとえば、人格的に他人を攻撃するようなことをする子がいたら強く叱る。しかし、叱ったあとで、放置せず、必ず仲直りさせ、納得させ、明るく帰ってもらう。若い先生方もたまに見学して参考にしてくださる」と言う。「私としては、教会学校の延長のような思い。直接福音を語らないが、イエス様の愛を示して行く、与えられた機会、待っているだけでなく、出て行くことも大事です」
「『若者がこわい』という声を聞くこともある。コンビニの前でタバコを吸っているような中学生に声をかけることもある。普段から若者と関わっている経験があると、知らない子でも自然に関わることができる。若者たちとは関わり続け、同じ目線でいられるようにしたい。年齢が高くなると、意識しなくてもプレッシャーを与えることがあると思う。交ぜてくれてありがとうという気持ちでいたい。タメ口でもいいよと言っています」
「若い時に神様を知ることは大切」と言う。「残りの人生をずっと神様といられる恵みがある。青年期は、進学、就職、結婚という、人生の重要な選択をする大事な時期。そのような青年たちとの関わりを大切にしたい。同年代で教会を離れてしまった人もいる。彼らを思うことも青年伝道に取り組む動機になってきました」
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JEA青年委員会のメンバーについて、「本当にみな、青年のことを考え、私以上に青年の中に入り、共に歩もうとしている人ばかり。今までの伝統では難しかったところも打破するなど、刺激と励ましをもらっている」と語った。
超教派での協力についてこう述べた。「かつては、超教派や宣教団体との間に行き違いがあり、不信感のあった時代もあったかもしれない。NSDⅡのテーマでもあるが、同じ神の国の民として、互いに家族だという理解に立ちたい。これが日本の教会の潮流となるように願います」
「言葉では簡単に言えるかもしれないが、実際に大変」とも言う。「しかし、団体、教団教派の違いは小さい。平面的な横のつながり、垂直的な神様とのつながりを持ち、大きなマインドで『神の国』のベースをしっかりもって、小さい課題を前向きに乗り越えていきたい」と述べた。
「今年は、様々な青年超教派大会があった。背景には危機感があったと思う。しかしイベントがイベントで終わりでなく、今の若い世代が次の若い世代を育てようというムーブメントと成るように願う。共通にできるところは協力していきたい。心には熱い思いを持ち、頭はクールにしっかり整理整頓して、上手に皆の力を結集していけば、これまでできなかったことがきっとできると思う」と勧めた。(つづく)
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