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 (前回つづき)

青年伝道座談会③ “中学に入ったらどうする” NSDⅡ、リフォユース、J+Passion代表者で2018年10月20日

 野田 中高生になると恋愛や性の問題があります。どのような指導をされていますか。

 佐野 前任地の岡山県では中高生会があり、月1回は恋愛の話をしました。キャンプでも必ず恋愛、結婚のテーマを扱います。ずっとやっているとクリスチャンの相手を選べるようになりますね。結婚して子どもが与えられる時期になっています。

 増田 日本基督教団では、そのようなことをあまり考えてこなかった。キリスト者学生会(KGK)の大嶋重徳総主事を呼んで恋愛結婚についてセミナーを開いたら、反響が大きかった。「こういうことをどうしてやってなかったのだろう」と。始まったばかりです。

 佐野 やっただけ実りのある分野ですね。クリスチャンホームを築いた子たちが、やがて教会を建て上げることになります。

 増田 実際どのようなことを話しますか。

 佐野 様々な段階があって、最初はテキストを一緒に読みます。教えるというよりも、グループで分かち合う感じですね。自分の意思を伝えられない子が増えていたこともあって、コミュニケーションの仕方も学びます。とにかく性や男女関係、結婚のことについて話せる土壌を教会につくりたかったんです。「こんなことスタッフに言えない」というのではないように。あなたの人生を考えている、いい人生を送ってほしいというメッセージを伝えるようにしています。

 野田 私たちが中高生のときにくらべ、何十倍、何百倍も誘惑が多い。ポルノサイトにも一瞬に、誰でもアクセスできる。昔は携帯がなかったですから、電話して相手の親が出てくるということもありました。

 佐野 そうそう、懐かしいですね。

 野田 今は親の知らないところでどんどんやりとりが進む。肉体関係にいくスピードもあっという間。大変だと思います。

 増田 野田先生はどんな指導を。

 野田 やはり大事なのは、中高生に分かる言葉で話すこと。「営み」、「夫婦生活」などぼやかしていっても何のことか分かっていないということがありました。だから、聴いてて恥ずかしくなるかもしせませんが、はっきり「セックス」と言います。自らの経験も交えて、男女が愛し合うすばらしさをかみ砕いて教えるようにしています。

 佐野 水谷潔先生(キリスト教性教育研究会会長)や永原郁子先生(マナ助産院院長)は、恋愛・性について語り部を増やしたいと、各地でセミナーを実施しています。妻が受講しました。PTAのお母さんたちが、子どもにどう性について伝えていったらいいのか悩んでいて、妻がレクチャーをしたこともあります。「助かった」と反響がありました。

 野田 しかし、どれだけ教えても、流されて、失敗することもあり得ますね。それだけ誘惑されやすい時代だと思います。正しいことを語るからこそ、すでに失敗した子はいたたまれなくなる。「失敗しても大丈夫。しっかりと神様に悔い改めれば、幸せになれるよ」と語ることも大事になります。

 佐野 若者と牧師、スタッフが恋愛、性を話し合える関係であり続けたいですね。行くところまで行ってしまってからではなく、もっと手前で相談できる関係性にできればと思います。

「神の国」の世界観

 佐野 青年の抱えるテーマとして、恋愛、結婚、クリスチャンホームとともに、職業選択や仕事の課題があります。青年たちが苦労して悩むのは、仕事の世界、クリスチャンがいない場所でのこと。そのような場で信仰を持つ者としてどう生きるか。仕事と教会の二元論にならないように励ましていきたいですね。

 野田 社会人は大変ですよね。

 佐野 旧約のイスラエルの民が失敗したことと言えば、恋愛、結婚、富、礼拝の問題。日曜日の礼拝だけで、子どもたちが自然に分かって育つということは考えられない。個別にきちんとこういうものだと教えないといけないですね。今回、NSDⅡ(第2回日本青年伝道会議)のテーマは「神の国マインドに生きる」です。キリスト教の世界観、信仰が生活のすみずみまで入っていくようにしたい。日曜日の顔と、月曜日から土曜日までの顔の使い分けだと、クリスチャンホームが育ちません。(つづく)

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