ITやロボット技術は人間にどのような影響を与えるか。『命のファイル:ロボット・テロ・不条理・来世と旧約聖書(佐々木哲夫著、2千240円、教文館、A4判)の著者は元精密工学専攻で、キリスト教学校でチャプレン、学院長を歴任した。ロボットに関する第1章では、日本人のロボット観について儒教や神道、仏教などの影響を指摘する議論を確認。一方、西洋文化からは「フランケンシュタイン・コンプレックス」を提示した。最後に聖書的観点を検討する。本書全体はテロ、苦難、来世などテーマは多彩。各テーマに即した旧約個所の釈義をし、最終章では教会説教について論じる。

 生まれた時からスマホが当たり前の子どもたちに、どう聖書の生き方を進めるか。『子どもとIT(堀井卓著、324円税込、ファミリーフォーラムジャパン、B6判)ではエンジニアの著者が、スマホ、ゲーム、SNS(特にLINE)の課題を解説するとともに、親に向けて「ルールつくり」、子どもへの伝え方などの指針を、聖書に基づき語る。

 大人の思惑通りにいかない子どもたちと向き合うとき、「怒り」にどう対処するかを問われる。「特にSNSが普及した世界では『怒り』が生じやすくなっている」と分析するのは『上手に怒る人になる 子育てが楽になるアンガーマネジメント(小渕朝子著、いのちのことば社、千296円税込、B6判)だ。心理カウンセリングの専門知識をもとに、「怒り」の認識、対処法をアドバイス。「『怒り』は大切なもの」として、「怒り」の伝え方も解説。子ども自身が「怒り」に対処するための導き方も伝える。随所に聖書が引用され、マンガで具体的エピソードが描かれる。

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