OMF日本委総主事に佐味氏 全世界が主を告白し、礼拝するために

写真=按手式で。中央が佐味氏

 国際宣教団体OMFインターナショナル日本委員会(以下、日本委員会)の新総主事に佐味湖幸氏が就任した。9月2日に開かれた就任式(東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センター)では国内外の関係者が集い、世界宣教の思いを共有した。

 佐味氏は、1992年からOMF宣教師としてフィリピン宣教に13年従事。その後日本委員会で働き、2012年からは、シンガポールのOMF国際センターで派遣委員会のない国々からの宣教師の受け入れなどの人事を担当していた。

 前任の菅家庄一郎氏(OMFインターナショナル北東アジア地区国際主事)は、「多国籍、多文化での経験、日本委員会の課題の理解、世界大の主の働きへの視野を持ち、日本委員会と教会、世界をつないでいただける。霊的資質としてもリーダーシップの賜物がある」と期待し、ヨハネ20章19〜21節、Ⅰペテロ5章2〜3節を贈った。

 佐味氏は証しを三つの「3」でまとめて語った。第一の「3」は3つの聖句。一つ目はルカ5章4節。「総主事の話をいただいたとき、『とんでもない』と思ったが、この御言葉を通して、イエス様が召され、共に行ってくださるならと思えた」と言う。少子高齢化、牧師不足という日本の教会の現状の中で海外宣教を語る不安はあった。そのとき、励まされたのは、二つ目のエステル記4章14節。「私には分からない『この時』という神の時がある」と思えたという。三つ目はローマ15章13節。「私の能力、経験ではなく、私を召した『望み』の神に信頼し、聖霊に満たされ、喜びと平安で主の働きに歩みたい」と話した。

 次の「3」は、自身が従事してきたフィリピン、シンガポール、日本という三つの宣教地。就任式には、かつての上司、同僚であったOMF国際主事が勢ぞろいし励ましとなった。

 最後にビジョン(幻)、ミッション(使命)、バリュー(何を大切に進めるか)について語った。

 「現在、日本委員会では、日本の教会がさらに神の宣教に喜んで生き生きと仕えられるように、その実現のためにお助けしたいと話し合っている。宣教師を海外に送り出すだけではなく、日本の教会が様々な形で世界宣教に携われるようになることが大切。神のご計画は、世界中の人々がイエスを主と告白し、まことの神を礼拝すること。OMFは、特に東アジアの宣教を使命とする。日本委員会がそのために用いられるように願う」と述べた。最後に「神様はあえて取るに足りないものを用いて、神様の完全な計画を、自らの栄光のために成し遂げる方。この神様に信頼し、期待して皆さんとともに歩みたい」と話した。

 OMFインターナショナル総裁のパトリック・フン氏はローマ15章1〜13節から「神の宣教の喜びにいきる」と題して三つの点でメッセージした。

 一つ目は「神の宣教の土台」。「力のない人の弱さを担うべき」(1節)に注目。「力のない人とは14章の文脈によればユダヤ人たち、霊的資産と伝統に生きる人たちだ。パウロが示すのは、弱い人も強い人も『心を一つ 』(5節)にし、主をほめたたえること。佐味さんは、様々な人や、宣教の経験が長い人を管理する大変さがあるだろう。宣教の土台は、キリストにあって一つになること」と勧めた。

 二つ目の「神の宣教の過程」は、9〜12節から説明した。異邦人の間で神をほめたたえ(9節)、異邦人も主を共に喜び(10節)、すべての国民が主をほめたたえる(11、12節)。「かつて異邦人は宣教の対象だったが、異邦人自身が主の働きに仕えるようになっている。宣教地の教会が自らの手で福音を伝えていくことが大切。日本の教会は小さいように思えても、日本から派遣された宣教師が困難な地域で仕えている。日本の教会の働きにとても感謝している」戸述べた

 最後に「神の宣教の喜び」を語った。「希望(13節)は個人的な希望だけではない。12節によれば、すべての異邦人が神に抱く『望み』。すべての異邦人がやがて一つとなる大きな希望。まだ完成は見ないが、いつか神様の熱心がそれを成し遂げる。この神様の喜びを佐味さんに満たしてくださることを祈る」と語った。

 杉並区の自宅でOMF下高井戸祈祷会を続けてきた栢沼(かやぬま)康夫氏(JECA・キリスト教朝顔教会員)が証しした。「毎月、日本委員会総主事や帰国中の宣教師を招き、奨励と報告、交わりから至福の恵みをいただく。宣教地の土着の信仰や他宗教との葛藤、国家の圧政、迫害などの厳しい状況も聞く」と様子を伝えた。

 「祈り会は月一回だが、神様は毎日働く」として、個人的に諸団体の宣教ニュースやカレンダーをファイルにまとめて毎日祈る取り組みも始めた。「信じ祈ったことは聞かれる、忍耐をもって待ち望むべきことを教えられている」と言う。

 最後に有澤達朗・たまみ宣教師から教えられた言葉を紹介。「『皆さんは謙遜して後方支援と言うが、皆さんの祈りは私たちと同じ宣教の最前線煮立つ戦い。私たちと同じ祈りの戦士、いやそれ以上かもしれない』と述べられた。私も主の宣教の働きの一員として奉仕させていただいていることを神様に感謝したい」と話した。

 日本に派遣されている宣教師を取りまとめるOMF日本フィールドの総主事、ペイン・クリス氏は、佐味氏の就任を祝い、「同じ日本において、パートナーシップを大切にしたい」と語った。