10月6日号紙面:人と地域を音楽でつなぎたい 3人兄弟のソングライターユニット イーワイエスさん
人と地域を音楽でつなぎたい 3人兄弟のソングライターユニット イーワイエスさん
京都市山科区の単立・京都グレースバイブルチャーチ(関誠牧師)で育った3人兄弟、関栄理哉(えりや)さん、義哉(よしや)さん、真哉さんのソングライターユニット「イーワイエス(EYS)」が、今年結成5周年を迎えて躍進している。イーワイエスとしてリリースした2枚目のアルバム「心想グラデーション」は、三人三様の音楽性が調和した内容で好評だ。さらに長男栄理哉さんはソロアルバム『若気ノイタリ』、次男義哉さんもソロアルバム『Together As One』をリリースした。いずれもネットで配信中だ。三男の真哉さんはサックスプレーヤーとして手作りの讃美歌CDを出した。地元山科を音楽で盛り上げようと、地域の人を巻き込んだ楽しい企画もプロデュースしている。それぞれのタラントを活かした「いい感じの伝道の種まき」が進行中だ。
兄弟それぞれの音楽が織り成す
「心想グラデーション」
アルバム「心想グラデーション」は、各自のオリジナル曲を各自がアレンジして、約20人のミュージシャンが協力して収録した。それぞれ好きなジャンルが違い、音楽性が違っても、助け合うことで生まれるイーワイエスならではの世界が広がる。
栄理哉さんと義哉さんがそれぞれのオリジナル曲を収録したソロアルバムでも、兄弟が協力している。2人の軽やかな歌声を彩る真哉さんのサックスが、表情豊かな音楽を描き出す。真哉さんのサックスの讃美歌CDは「アメージンググレース」「鹿のように」「いつくしみ深き」をジャズ風にアレンジしたものだ。いずれは3人によるスタンダードワーシップができたらと、夢が広がる。
今や関西を中心に多くのファンに支持されているイーワイエス。教会育ちで、音楽は常に身近にあった。栄理哉さんと真哉さんは音大へ進み、義哉さんは大学在学中に芸能界にデビューした。2009年に結成された5人組アイドルユニット「新撰組リアン」のリーダーとして14年の解散まで活躍した。
この義哉さんの芸能界デビューは大きな出来事だった。ファンの中から教会につながる人が生まれ、さらにイーワイエスの活動を通して、教会に根付く人が出てきた。栄理哉さんは「音楽を通して教会との架け橋になりたいという兄弟の願いに、義哉が先陣を切ってくれたと思います」と、振り返る。今年リアンはデビュー10周年。1日限定復活ライブ「令和男道」が10月14日に東京の山野ホールで開かれることになり、チケットは完売した。
地元活性化に一役
「山科元気プロジェクト」
そもそもリアンは京都を盛り上げようという企画から結成されたユニット。同じように、地域活性化にイーワイエスも一役買おうじゃないかと、義哉さんが中心になって進めているのが「山科元気プロジェクト」だ。
山科区は京都市の中でも地味な存在だと言われる。京都市中心部の洛中の人々から、なんだか「上から目線」で「滋賀県の隣り」と見られているらしいのが、山科在住の人々はおもしろくない。そこで山科区のテーマソング「ホームタウンシティ」をイーワイエスが歌い、義哉さんが振り付けた「山科ダンス」を、京都市長や区長、消防署から幼稚園まで、様々な人が踊る姿を映像でつないでユーチューブで発信して、山科の魅力をアピールしている。「山科ダンス」で検索したら、ダンスする山科区民さんの笑顔が見られる。義哉さんが代表を務める山科の情報誌「山科じかん」も好評だ。今やイーワイエスは、山科のPR大使としての人気も高い。
3人は「おかげで地元の友人知人が増えました。ライブに区長さんや市議さんも来て下さいます。すごくいい感じの種まきができている。人と人を音楽でつなぎたい。このつながりが伝道につながればと願っています」と、声をそろえた。