以下は内村伸之氏(ミラノ賛美教会牧師)の現地レポート。

 

「イタリアにおけるコロナウイルス感染拡大と教会の状況」

イタリアの新型コロナウイルス感染者数は、2月20日までは3人とされていました。ところが2月21日から22日にかけてのわずか1日で突如、229人へと激増したことが報道されました。ミラノを州都とするロンバルディア州の小さな町で集団感染(アウトブレイク)が発生したのです。
イタリア政府は即座に感染源と見られる11の町を封鎖しました。警察と軍隊が出動し、その様子はさながら戒厳令のようでした。イタリアにはあっという間にパニックと呼べるような人々の反応がおこり、瞬く間にスーパーマーケットからは商品が消えました。
「やがて州全体に外出禁止令が出るから今のうちに食料品を買い込む必要がある」というようなデマがSNSで拡散したのです(後に、デマを発進した人が特定され逮捕されました)。そして現在、新型コロナウイルスは、欧州全体に広がり始めています。
出入国審査や検疫なしで国境を越えられる欧州ではウィルスは大きな脅威となっています。イタリアの周辺国は2月25日に国境を閉鎖しないことで合意しましたが、欧州の国ごとに対策を取っています。
私の牧会するミラノ賛美教会でも、すぐに対策を講じる必要が生じました。ミラノ賛美教会は日本語、韓国語、イタリア語と3か国語で礼拝をする複数民族が集う教会です。
日本から、韓国から帰国したものが多いことから、ウィルス対策が課題となっていましたが、ミラノ自体が世界から危険な感染拡大地域と指定されるようになってしまいました。
そのような中、ミラノをはじめロンバルディア州に対して「宗教上の公的及び私的な場所でのあらゆる形の集会の中止」という通達がなされました。
私たちが礼拝を会堂で通常通り行うかどうかを検討し決定する以前に、行政により教会堂での礼拝が禁止されてしまったわけです。これは、ミラノ賛美教会設立以来初めてのことでした。
この記事を執筆している3月2日現在、イタリアでのコロナウイルス感染者は1700名を超えており死者も26人と、世界第3番目の感染国となっています。このような中、礼拝禁止解除の目処もついておりません。このような中、各自が御言葉にたち、祈りの手を上げつつ、置かれた場で主を礼拝できますようにお祈りください。礼拝禁止最初の日曜日は、教会のメンバーにはメールでメッセージを送りました。今後は動画の配信、またスカイプ(Skype)等を用いたスモールグループによる祈り会や聖書の学びを検討しています。
私自身、ミラノを拠点にオランダやスペイン、フランスの教会や集会を宣教・牧会していますが、現時点では移動が妨げられてしまっています。このような中でも主の御手の中で宣教が前進しますようにお祈りいただければ幸いです。私たちも、欧州から愛する母国日本のためにお祈りしています。

ミラノ賛美教会牧師 内村伸之