「古い人」のままでは愛せない 架け橋〜第10回東アジア青年キリスト者大会⑤

 第10回東アジア青年キリスト者大会3日目は、朝のメッセージ後に都内を巡るツアーが実施された。両国(江戸東京博物館、国技館)、浅草(浅草寺、カトリック浅草教会)、九段下(靖国神社、昭和館)、御茶ノ水(神田明神、孔子廟、ニコライ堂、在日本韓国YMCA)、東京(皇居、東京駅)からグループはそれぞれが希望のエリアを選んで巡った。【高橋良知

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 記者が加わったグループでは、御茶ノ水周辺の歴史的な宗教関連施設を回った。在日本韓国YMCAは、明治時代から朝鮮人(当時)留学生の交流の場。三・一独立運動の前段階となった二・八独立宣言の舞台でもある。昨年はその100周年を記念し、資料館がリニューアルしていた。

 ハリストス正教会の東京復活大聖堂(ニコライ堂)内部は、ロウソクと窓からの光だけの静かな雰囲気。随所に歴史を感じさせる絵画があった。案内文の中では、初代教会以来の歴史と、その後に発展した伝統について述べられていた。明治初期以来、ニコライ司祭の宣教をはじめ、歴史、文化に大きな影響を与えてきた。

 特にグループで会話が弾んだのは、湯島聖堂(孔子廟)。孔子像や中国語の資料を、中国出身のメンバーが解説してくれた。聖堂の本堂の建築意匠についても関心が集まった。中国南部出身のメンバーは、「故郷に似たような廟(びょう)がある」と言って、Google検索をした写真を見せてくれた。江戸幕府直轄の学校があった場所だが、東アジア的な視点でとらえることもできたのは興味深い。

 時間の関係で行けなかったが、神田明神も興味深い場所だ。江戸庶民、商人の民間信仰の歴史を資料館では紹介。秋葉原から近いこともあり、アニメ、フィギュア、ゲームなどとのコラボも実施。一昨年にできた文化交流館では、明るいジャズが流れ、オリジナルスイーツを販売していた。

 御茶ノ水では、日本の文化土壌の背後に、東アジアや世界を垣間見た。信仰と文化という宣教課題を考えさせる場だった。

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写真=飯田さん(左)とクさん

 夜のメッセージは、飯田結樹さん(札幌ガーデンチャーチ牧師)。妻のク・ソンリムさんが韓国語通訳を務め、夫婦のエピソードや息の合った掛け合いがあり、会場が和んだ。

   「どうやったら国と国が仲良くできるか。政治では難しい、、、、

4月5日号掲載記事