信仰良書のバトンリレー 古書で「思い」つなぐ いのちのことば社オアシス古書部

今はなかなか手に入らない絶版本など

キリスト教書の古書を扱ういのちのことば社ネット書店「オアシス古書部」は新型コロナ渦の中、3月以降、売り上げも買い取りも飛躍的に増えた。担当の飛田雅史さんに聞いた。
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「コロナによる自粛のせいで外出ができず本が読みたくなる方がおられる。一方、断捨離ブームもあり、これを機に蔵書の片づけをする人も増えている。今までは無料引き取りと有料買取りが半々くらいだったが、最近は買取りが増えてきている。現在、サイトの登録冊数は3千冊弱だが、未登録のものが山ほどあります」。飛田さんは、そう語る。
オアシス古書部は2018年秋にオープン。きっかけは飛田さんの外販営業や書店業務での経験から。「教会を訪問した時、教会図書に良い本があっても古くて活用されていない様子や、お店では欲しい本が品切れで入手できない現状がありました。それで古くなった信仰書を下取りして、欲しい本を探しているお客さまに届けたいと、古書の販売を思いつきました」

古書の検品作業中の飛田さん(手前)と加藤さん

始めて1年半。今では外商課の加藤隆哉さんも加わり、毎日届く古書品の作業に追われている。「この作業は大変で、毎日買取りの荷物が届き、一冊一冊検品し、査定し、状態票を書き、値段をつける。そしてサイトにアップしていく。いろんな人に手伝ってもらいながら作業をしています。おかげさまで会員も増えている。例えばW・バークレーやA・マーレー、C・H・スポルジョン、遠藤嘉信先生の著書などは人気。在庫がなければリクエストも承って、入荷すればお知らせいたします」
モットーは「地球にやさしい、教会にやさしい、あなたにやさしい」だ。「聖書や信仰書は捨てられない、無駄にしたくないという方もおられる。そういう方々の思いも受け止めさせていただいている」と飛田さん。買い取ってもらった人から感謝されることも多く、「別のところで用いられるように」、「誰かの心の支えとなるように」などの声も届く。「いのちのことば社なら安心して引きとってもらえる」との信用も大きいと話す。
今後は「リフレッシュキャンペーン」として「教会図書の眠っている信仰書を下取り、新しい本に入れ替えてもらって、教会図書を活用し、信仰書をもっと読んでもらいたい。絶版で入手できないような神学書なども、教会や神学校等へ届けていけたらと願っている。提供してくださった方々の思いと、探している人たちの思いをつなぐお手伝いができれば感謝です」と抱負を語った。
オアシス古書部の問い合わせはEメールkosho_oasis@wlpm.or.jp、ウェブサイトURL wlpm.or.jp/kosho/ 【中田 朗】