[レビュー3]『神さまが見守る子どもの成長』『「子どもと親のカテキズム」解説』』『喫茶ホーリー』
教会の子ども減少という中で、『神さまが見守る子どもの成長: 誕生・こころ・病・いのち』(石丸昌彦著、日本キリスト教団出版局、千760円税込、四六判)の著者の教会では、毎週60人もの子どもたちが教会学校に集う。同教会で毎月発行する「C.S.通信」は、そんな子どもたちや家族をフォローする役割があるようだ。この通信に保護者向けにつづった連載が、本書の元になっている。今回新たに春夏秋冬の四つに分けて、誕生から死までのテーマで整理した。精神科医の著者は、生まれること、死ぬことの不思議を親子で話し合うことを勧める。身体と心の関係、自然と身体の関係、さらにゲームやスマホ依存の問題にもアドバイスする。
変化の激しい現代で、子どもたちの成長に向き合うには柔軟性も必要だが、場当たりではない一貫した体系が必要かもしれない。カテキズム教育の伝統がある改革派教会は歴史的信条への「橋渡し」ともなる子ども向けのカテキズムを作成し、その詳しい解説集『神さまと共に歩む道: 「子どもと親のカテキズム」解説』(日本キリスト改革派教会大会教育委員会著、牧田吉和監修、教文館、2千200円税込、四六判)を刊行。同カテキズムは現代の子どもの理解力に配慮した上で、単なる知的な学びではなく、人格的真理、救われた生き方の具現化を重視して伝える。「道」「歩む」というキーワードで、「垂直な神との静的な関係だけではなく、「歴史の中で神と歩む動的な関係」を明確にした。被造物管理や日本の宗教文化背景の内容も盛り込む。オランダ改革派教会の家庭教育のレポートも掲載する。
『喫茶ホーリー』(かめおかあきこ作、いのちのことば社・フォレストブックス、千320円税込、B6変)は喫茶店に集う人々を描いた連作漫画。「本音を言えない」「夫/妻の会話がすれ違う」「人生の目的が分からない」…。人々の悩みに喫茶のマスターは静かに耳を傾け、さりげなく語る聖書の言葉が小さな変化を起こす。イヌ、ブタ、ヒョウといった動物で描かれるキャラクターたちはコミカルだが、怒りや焦り、喜びの表情は繊細だ。絵本作家の作者にとって幼い時からあこがれていた漫画という形が本書で実現したという。挿入されるコラムでは、各キャラクターに重ねて自らの信仰と人生を振り返る。
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