良書を選び、信頼関係きずく 本屋の存在意義21 ▽カベナンター書店

入手困難な本を「図書コーナー」で貸し出し
「詩篇讃美歌集など出版活動にも力を入れたい」

神戸市中心部三宮の北側にある異人館街は、西洋との接点となった歴史を思わせ、古いキリスト教会も多い。洋館がある斜面からは神戸市街、港がよく見える。神戸市を代表する観光地だ。この入り口となる北野坂は、カフェ、レストラン、雑貨店などでにぎわう。この坂のそばにカベナンター書店がある。ガラス張りの正面からキリスト教の用品が見え、観光客や通りがかりの人もふらりと立ち寄るという。
「『カベナンター(契約を結んだ者)』とは、聖書にある救いの恵みの『契約』を信じ、キリストを『王』と認めて、キリストに忠実に仕えた17世紀スコットランドのクリスチャンたちの名称」と店長の山口茂さんは、同店の名前の由来を説明する。同店は北米改革長老教会のミッションによって、1952年現在地にオープンした。95年の阪神淡路大震災では全壊したが、国内外の祈りと献金で復旧。カベナンターセンタービルとして、1階が書店、2、3階が神学校(神戸神学館)・チャペルという伝道拠点になっている。
そんな好立地の同書店だが、昨年は閉店するかどうかが迫られる経営の危機にあった。体制を変え、今年1月から店長を引き継いだのが同店理事でもあった山口茂さん。学校教員を定年退職し、現在も週4日学校に勤務しながら、書店業を続ける。通勤帰りの人が寄りやすいように夜の時間を延長した。週2回は女性のアルバイトが支える。新型コロナの影響で、一時期は短縮営業で対応。
外販では市内にある二つの神学校(神戸改革派神学校、関西聖書神学校)、奈良生駒にある関西聖書学院、また各教会を回る。「カベナンター書店ならではの良書を選んで扱います。扱う範囲は狭いかもしれないが、、、、、

2020年10月11日号掲載記事

カベナンター書店
山口さんおすすめの書籍

2000年に、詩篇讃美歌集として、日本キリスト改革長老教会詩篇委員会編『詩篇抄集』がまとめられ、2016年には『詩篇抄集 補遺2016』(改革長老教会日本中会 発行)が追加されました。今はセットで、2千200円で販売しています。またCD「詩篇賛美」(カベナンター書店製作)も作りました。日本各地でツアーをしている韓国の賛美音楽グループ、オンギジャンイが素晴らしいアカペラで歌ってくださいました。『わたしたちの父祖の信仰 「ウェストミンスター信仰告白」解説』(ウェイン・R・スピア著、遠藤克則訳)は、改革長老教会が大事にしているウェストミンスター信仰告白を信徒の生活に適用できるように、わかりやすく解説してくれます。スピア先生は、私自身米国でお世話になった、恩師でもあります。どの本もカベナンター書店に在庫があり、販売しています。