【連載】「続ける」意味 私の3.11~10年目の証し⑤

「あなたは東日本大震災発生時、どこにいて、何を思いましたか…」。東日本大震災10年を迎える2021年、震災の体験や記憶の継承をテーマに、3組4人にインタビューをした4回目。今回は、支援への取り組みを聞く。【高橋良知】

 

【東日本大震災振り返りシート】
○地震発生時、どこにいて、何を思いましたか
○揺れが収まってから、まず何を思い、どのような行動をしましたか
○教会の人々や周囲の状況、被害報道を知り、どのように思いましたか
どのように避難し、過ごしましたか

▷どのように救援に導かれ、働きを続けましたか
▷どのような祈りを思い出しますか
▷どのような聖書の言葉を思い出しますか

○どのように礼拝をしましたか
○震災について何を覚えておきたいですか
○これからの世代に伝えたいことは何ですか

◇  ◆  ◇
ジェント・マイカさん(JECA・つがる福音キリスト教会牧師)は、米国の神学校を卒業して2012年に帰国。今度は3・11いわて教会ネットワーク(以下・いわて教会ネット)のスタッフとして、岩手県大船渡市を拠点に活動を始めた。当初は前回のように「モバイル・カフェ」を続けようと考えたが、「私のやっていたやり方と違うけれども、すでに皆さんが十分やっていた。何か違うことをやらなくては」と焦ってストレスがたまった。

そのような時に、メッセージの中で聞いたヨハネ黙示録3章2節が心に響いた。いわて教会ネット代表の近藤愛哉さんが震災被災直後に受け取った言葉でもあった。「目の前の圧倒的な被災の状況の中だが、教会として、一クリスチャンとしての働きは『神の御前に全うされ』(第三版以下同)てはいない。『死にかけているほかの人たち』の必要のためにできることをしないといけないと神様が励ましてくれた、と。メッセージを聴きながら『まだできることがあるのかな。神様がよしとするまで従事し続けたい』と思えました」
当時を振り返り、「最初はつらい3か月だった。前回日本で支援したときのやり方を押し付けようとしたり、神学校を卒業したてで頭でっかちな部分もあり、今思うと愚かだった。もまれ、気づかされ、良いへりくだりの時となりました」。働きは新しい形で与えられた。それは大工仕事だった。

(この後、会津若松市の高橋拓男さん、気仙沼市の嶺岸浩さんも支援の継続について語ります。2月21日号掲載記事