在住外国人問題ミーティングで支援牧師ら現状報告 「入管収容者の現状知ってほしい」 JEA宣教委員会異文化宣教ネット

日本で難民認定を求める人たちの状況がさらに悪化してきている。政府は今年2月、難民申請の回数を制限する項目を盛り込んだ出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案を提出。最近では入管施設にクラスターが発生した。そんな中、日本福音同盟(JEA)宣教委員会異文化宣教ネットワーク主催による在住外国人問題Zoomミーティングが3月10日に開かれ、入管収容者を支援している4人の牧師が、その現状を分かち合った。【中田 朗】

発言者は渡辺聡(東京バプテスト教会〔TBC〕)、柚之原寛史(IPHC長崎インターナショナル教会)、宮島牧人(日基教団・原町田教会)、Hの4牧師。
渡辺氏は、「TBCのフィリピンの姉妹から『プリズンミニストリーを引き継いでほしい』との話があった。実際は刑務所でなく牛久入管で、私は数年前からそこに行くようになり、月1回、入管センター内のグループミーティングの部屋を借りてバイブルスタディをしている」
渡辺氏は「収容されている人たちは、犯罪をおかして収容されているわけではない。だが、教会の中には『彼らは犯罪者ではないか』というイメージを持つことによって、関わるのを躊躇(ちゅうちょ)してしまう人もいる。みんなが正しい情報に基づく理解をしてくれたら」と願う。
入管法改正案にも触れた。「同改正案が通ると、3回の難民申請後は国に強制送還される。一方、出入国在留管理庁の2019年のデータによると、難民申請者1万375人に対し認定者は44人。まさに難民鎖国だ。私たちの教会にも難民申請者がいるが、もし仮放免中の人が不法就労すれば、世話人(保証人)も罪に問える可能性のある法案だ」と危惧した。
柚之原氏は「05年にある牧師から一人の中国人女性が長崎県の大村入管に移送されたとの連絡を受け、初めて入管に行き、以来、週1回訪問していた」と語る。「イラン人の男性に面会した時、彼は聖書を持っていた。洗礼も受けたいと言う。そこで、カトリック神父と関わりのあった私は、大村入管で礼拝ができるよう連名で申請書を提出。許可が下り、10年から月1回のペースで礼拝をしていたが、現在はコロナ禍で礼拝はできない状態だ」と語った。

(この後、さらに宮島氏、H氏が報告します。2021年4月4日号掲載記事