関西キリスト災害ネットワークで市來氏ら発題 平時、災害とわずネットワークが重要

関西キリスト災害ネットワーク(関キ災)の第4回懇談会が、4月13日にオンラインで開催された。世話人である山下亘牧師(同盟基督・箕面めぐみ聖書教会)の進行で、まず防災士の資格を持つ福音落語家のゴスペル亭パウロさんによる防災落語「避難所でなるべくストレスのかからない過ごし方」が披露された後、九州キリスト災害支援センター(九キ災)の市來雅伸本部長による発題があった。【藤原とみこ】
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2020年7月に熊本県を中心に被害をもたらした九州南部豪雨は、支援活動においてコロナ禍での対応を迫られた災害でもあった。九キ災の取り組みについて、市來さんは「コロナ禍での災害支援を経験して」というテーマで発題した。

支援活動の大きな力になるのはボランティアだが、独自の募集基準を設定して、新規感染者の情報を保健所ベースで集め、募集基準を満たさない地域からのボランティアは入れないなど、被災地に新型コロナを持ち込まないために細心の注意を払った。さらに、支援の受け皿となる教会ネットワークが非常に大事だと強調した。

教会と地域がつながることが重要だとして、教会が自治体の中の避難所となること、教会に地域のための防災倉庫を設置すること、教会主体の防災セミナーなどの開催、支援物資の受け入れ、教会員の中で防災士の資格を持っている人がいれば地域の信頼を得られるなど具体的な提案があった。
平時、コロナ禍問わず重要なのはネットワークであること、防災、減災意識を持った人のつながりが広がっていくことを祈りたいと締めくくった。
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和歌山バプテスト教会員で、和歌山ひかり幼稚園副園長の久保田信人さんによる発題は「教会での避難訓練どうされてますか」。
キーワードは「現実的な訓練」で、いつ、何を想定して、誰が中心となって、どうやってやるか、これらが大切だと語った。

「意味のない訓練はありません。まずはやってみる。やらなければ対策は始まらない。より現実的な訓練を繰り返しやり続けることが大切。今の災害は備えていても憂えてしまうほど大規模化、広域化していますが、しかし、備えなかったら憂いしか残りません。訓練することは、災害が起こったとき、それを乗り越え、復興に向かえるように準備することなのです」

参加者からの意見や質問が相次いだ。コロナでさらに高まった防災意識を共有し、つながることの重要性を再認識する時となった。