ワクチン接種から取り残される難民たち 世界難民の日に先駆けワールド・ビジョン報告
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン(WV)は、6月20日の世界難民の日に先駆け、報告書「High Risk-Low Priority」を発表。それによると、難民や国内避難民は、新型コロナウイルス感染症に感染するリスクが高い環境での生活を強いられているにもかかわらず、ワクチン接種の優先順位が最も低いことが分かった。
「High Risk-Low Priority」は、国民を新型コロナから守るのに必要な資源のない低所得国で新型コロナが急増していると警告。これら多くの国々は、世界のワクチン接種量のわずか3%しか利用できない状況にあり、強制的な避難を迫られた4千万人を超える難民も受け入れていて、その結果受け入れ国が実施できるワクチン接種計画は非常に限定的なものになっているという。
アンドリュー・モーリーWV総裁は「新型コロナにより最も影響を受けている人々が、ワクチン接種から最も遠いところに置かれていることに、道義的な憤りを感じる」とし、「高所得国は低所得国の25倍の速さで国民にワクチンを届けており、自国の最も弱い立場にある人々を保護している。WVは、世界で最もぜい弱な立場にある人々にも、同じような保護を今こそ確保しなければならないと訴える」と語る。(紙面で詳細掲載)