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1921年7月、上海市街のレンガ造りの邸宅に、若き日の毛沢東をはじめ中国人の共産党員十数人が集まり、中国共産党結党宣言がなされた。その会場は中国人共産党員が所持していた邸宅で、今は共産党創設記念館となっている◆筆者は1979年にこの記念館を訪れているが、そこから燃え上がった革命の炎が、今年共産党創設100周年を迎えた中国の興隆をもたらした◆81年、北京を訪れた筆者は、天安門広場にある毛沢東記念会堂に向かった。毛沢東の遺体が安置されている地下の遺体安置室には長蛇の列が並び、人々は中国革命の父の遺体に、あたかも生きている者に対するごとき敬意を表していた◆天安門には、巨大な毛沢東の肖像画が掲げられている。あれから40年以上が経ち、中国は世界の経済大国に変貌を遂げたが、今も毛沢東が国のシンボルである◆2012年、国家主席に就任した習近平は、毛沢東時代への回帰を目指し、あらゆる分野での「中国化」を宣言した◆それは、世界の中心は中国であるという、いわゆる「中華思想」の復権であり、宗教の分野でも「中国化」の徹底が叫ばれ、「キリスト教の中国化」も例外ではないのである。