【CJC】ローマ発カトリック通信(CNA)は、中国全土の天主教愛国会(カトリック)が、今年、中国共産党100周年祝賀実施を要請された、と中国教会を20年もカバーしてきた「アジア・ニュース」編集長のベルナルド・セルヴェレッラ神父が語った、と伝えている。

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「信仰共同体、教区はどこも、会議、実行、参観から共産党関連の史跡巡礼まで行ってきた」と同神父。

北京のヨセフ・リ・シャン司教は、共産党100周年を記念する習近平主席演説のため、司教館で「視聴会」を行った。習主席演説の「精神」をどう理解するかというシンポジウムには、司祭、信徒40人が参加した。天主教愛国会のウエブサイトによると、河北省のカトリック者が旗掲揚式と党祝福式を行った。

しかし、中国のカトリック者にとって大事な聖母巡礼地、上海市松江区の佘山(シェシャン)大聖堂への巡礼は禁止されている。

聖座(バチカン)が2018年9月に中国当局と暫定協定を結んでから約3年間、地下カトリック教徒には、政府公認の天主教愛国会の指導下にある人たちとは、状況が大きく変化した。

「女子修道院が破壊されたり、教会が閉鎖された。司祭が小教区から追い出されたり、神学を学ぶことを禁じられた神学生がいたり…さらに逮捕されたり毎日24時間軟禁されている司教もいる」と同神父。

一方、公認教会は、礼拝の自由度は比較的高いものの、中国のナショナリズムや党への愛を説く一方で、カトリックの教理の一部を検閲する、と圧力をかけられるなどの問題に直面している。

中国で合法的に布教しようとする司祭は、中国共産党を支持するとの誓約書に署名する必要がある。また18歳以下の未成年者は入場できない公認礼拝所でだけ布教が可能。

「そして何よりも、共産党の栄光を讃えなければならない」とセルヴェレッラ神父は語っている。