カルヴァンの詩篇注解を、三位一体の神、創造主なる神、摂理の神、語る神…と体系的に再構成して解説する『カルヴァンの詩編の神学』(H・J・ セルダーハウス著、石原知弘訳、教文館、5千60円税込、A5判)は、教理、特に神論から詩篇を学べる。キリスト論、教会論、宣教論なども含まれ、実践的な信仰生活の手引きにもなる。「堅い」「心のない」といったカルヴァンの生前からあったイメージを更新し、カルヴァンにとって詩篇注解は「『神の神性』を信じて経験した戦いの記録」だったことが明らかになる。


広く愛唱される詩篇のルターによる講解『主はわたしの羊飼い 詩編1編、8編、23編の講解』(金子晴勇訳 教文館、2千970円税込、四六判)が刊行。ルターにはキリストを読み取る比喩的解釈、教会、人間を読み取る転義的解釈がある。特に8編には、キリスト論と人間論がルターの他の著作にない明解さで語られるという。


ぎりぎりに「何とかした」説教は、神の声を十分に聴けていないかもしれない。丁寧な準備を勧める心を燃やす説教を目指して 基礎的知識と準備の実際』(松原智著、いのちのことば社、千430円税込、A5判)は説教作成のポイントをタイプ別に解説。接続詞にいたるまで注意を向ける丁寧なガイドや実例もある。


入門者にも安心して聴け、慰めとなるメッセージは、今年70年を迎えた太平洋放送協会企画・構成の永遠の愛 「世の光」「ライフ・ライン」バイブルメッセージ集』(いのちのことば社、、330円税込、B6判)が参考になる。


日本のホスピスケアの開拓者で精神科医の柏木哲夫氏による『いのちを輝かせるもの 心をいやすメッセージ』(いのちのことば社、千540円、四六判)は、専門知識を交えず、一信徒の視点で聖書と向き合う。病を抱え、死を目前とする人々から見えるのは、いかに日常生活を過ごすことが大切かということ。人間生活のすべての要素が含まれる聖日礼拝の尊さも再認識される。巻末でスピリチュアルケアの概要を解説する。

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