クリスチャンシンガーの吉村美穂さんが、活動15周年を記念して、ドイツ歌曲のCD「アンディムジーク~音楽に寄せて」を、10月1日にリリースした。シューベルト7曲、シューマンの連作歌曲「女の愛と生涯」の8曲の計15曲を、京都市立芸術大学時代の友人上田明美さんのピアノ伴奏で収録した。

吉村さんの初めてのクラシック作品となる。シューベルトの「冬の旅」をこよなく愛する父のレコードを聴いて育ち、大学でもドイツリートを学んだ。留学先のオーストリアでアーノルド・シェーンベルク合唱団に入団。ウィーンフィルやベルリンフィルと世界各地で共演した。今回のCDは、原点に戻る意味合いを込めた。

 

ドイツ歌曲CD「アンディムジーク~音楽に寄せて」

「クラシックを学んできた私の音楽の原点に返り、クラシック音楽の世界を皆様に知ってもらえたらと思いました。ここまで来られたのは、皆様の応援と導き、そして、音楽があったからです。タイトルはシューベルトの歌の一曲から。若いうちは歌えない、表現できないと言われた曲が、15年たって歌える年齢になりました。神様と皆様と音楽に感謝を込めて歌いました。教会でも聴いていただけたら」

吉村さんの歌う美しく清楚(せいそ)なドイツ歌曲。教会の賛美の原点でもあることを、改めて思わせる作品集だ。
吉村さんはクリスチャンホームで育ち、ウィーンで通った日本語教会で信仰を育てられた。

「ウィーンでは世界最高峰の音楽に触れ、そのステージに立つこともできました。楽しく貴重な経験でしたが、半面音楽の世界は激しい競争があるのも事実です。周りと比べたりしてしまう中で、何のために歌っているのかわからなくなったことも。そんな時、教会で祈る中で、歌で福音を伝える者になりたいという思いが与えられました」

帰国してコンサートやゴスペル教室を主宰し「マザー・テレサ」や「ファニー・クロスビー」「ナルニア」等、オリジナル・ミュージカルの脚本とプロデュースも手がけて好評を博してきたが、コロナ禍が音楽活動を直撃した。

「何もかも予定がなくなりました。信じられず、思考が止まってしまったようでした」
生活のためにアルバイトをしている。教会から要請があれば、オンラインで歌ったり、収録したデータを送るなどして対応してきた。
YouTubeの番組「MipopannTV」で対談したり「みぽぱんなちゃんといっしょ」というコーナーでは、みことばにピアニストの野田常喜さんが作曲したみことばソングを歌ったり、オンラインを駆使した音楽活動も力を入れている。

ここからまた新たな一歩を踏み出す。新しいミュージカルの構想もあるという。
CDは税込2千750円。発売=吉村美穂音楽事務所TEL070・5336・1260 FAX075・351・4168 Email mihoyoshimura_office@yahoo.co.jp、全国のキリスト教書店でも販売。

クリスチャン新聞web版掲載記事)