北京冬季五輪開幕式の日に祈祷会 ソチ五輪女子代表選手が証し
「第24回冬季五輪北京大会」開会式当日の2月4日、「北京2022冬季オリンピック・パラリンピック(以下:北京オリ・パラ)祈祷会」(日本国際スポーツ・パートナーシップ〔JiSP〕主催)がオンラインで開催され、約60人が参加した。賛美リードは長沢崇史さん(カナン・プレイズ・チャーチ主任牧師)。
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最初に池田恵賜さん(JECA・本郷台キリスト教会主任牧師)が、同祈祷会の経緯を説明。「昨年の東京オリ・パラ期間中、JiSPはJEMA(日本福音宣教師団)と協力して『100万時間の祈り』をさせていただいた。その中で多くの中国人クリスチャンが祈ってくださったが、彼らは今でも『日本のため祈り続けています』と言ってくださる。そして、今度は私たちが中国のために祈る番だということで、この祈祷会を計画した」
「中国は共産圏で宣教の難しい国。しかし、神様はスポーツや様々な方法を用いて、中国で宣教の業を進めておられる。私たちが祈りの手を挙げ続けることで、中国においてさらに神様の御業が進められることを願っている」と語った。
続いて、2014年開催のソチオリンピックにドイツ・スキー女子ジャンプ代表として出場したジェニーナ・エルンストさんが証しをした。「13年のワールドカップの時に2位になり、ソチオリンピックの道が開かれた。初めてのオリンピックで、私は出場できただけでうれしかったが、チームメイトが表彰台に立つことができ本当に素晴らしい経験だった」
だが、その6年後に「前十字靭帯を切る大けがを負った」とジェニーナさん。「つらい時間を覚悟したが、神様とすばらしい時間を持つことができ、9か月後に回復できた。だが、1か月後の試合で再び前十字靭帯断裂を起こした。この時はショックで、神様に失望した。自分自身がなくなったように感じ、神様から離れてしまった」。
しかし、大変な状況下で再び神様につながることを決意し、アスリートクリスチャンのオンラインコミュニティーに参加。「皆、私を励ましてくれた。同じような経験を皆していたから」。この怪我で選手を諦めたが、「コーチという新しい道を神様は開いてくれた。つらい経験を通ったからこそ現役のアスリートたちを励ますことができる。神様のことも伝えられてうれしい」と語った。
中国の現状については、長年、中国との関わりを持ってきたWさんが話した。Wさんは、「今は教会に対して弾圧が激しくなってきている。22年3月からは、オンラインでの宗教活動や集会は、政府の許可なしでは禁止となり、多人数で集まることがますます困難になってきている」と言う。
一方、「困難な状況の中、クリスチャン一人一人が信仰を保つよう追い込まれている。『荒野に道を、荒れ地に川を設ける』(イザヤ43・19)ように、神様は私たちを新しく変えようとしておられる。中国の教会は困難と共に変化の時を迎えている。これは日本も同じだ」と語った。
参加者による一斉祈祷、代表者による祈りでは、①アスリートたちが怪我、病気、コロナ感染から守られるように、②クリスチャンアスリートたちが証しとなる行動ができるように、など選手のために祈ると共に、ますます制限が厳しくなってきている中国の教会のことも覚えて祈った。
最後に「オリンピックは2月4日から20日、パラリンピックは3月4日から14日まで行われるが、新聞、テレビ等で『オリ・パラ』の文字を見たら、ぜひ中国のために祈ってほしい」と池田さんは呼びかけた。【中田 朗】