アジア福音同盟女性委員会・子ども委員会主催による「D6ファミリーカンファレンス」が6月9日から開催され、基調講演とともに多くのセッション、ワークショップ(WS)が行われた。その内容を連載で紹介する。初回は、「家庭での信仰形成運動」を推進しているマーク・ホルメン氏によるWS「教会と家族の間に橋をかける」。
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「家庭での信仰形成」を推進するために必要なのは、教会の活動に新たに「ファミリーミニストリー」を付け加えることではない。必要なのは、すでにある子ども、ユース、成人、高齢者のミニストリーやグループの中に、家庭での信仰形成の大切さを、織り込んでいくことである。牧師は講壇からその大切さを語り、それぞれのグループでもその大切さが語られることで、一人ひとりが家庭に戻り、家庭での信仰育成に従事するようになるからだ。
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「家庭での信仰形成」運動には大切なステップが四つある。
⑴気づき。子どもの信仰形成を教会任せにしていないだろうか。まずはそのことに「気づき」が与えられなくてはならない。「信仰に生き、信仰が養われる主な場所は家庭である」という気づきである。そしてそれは、「教会が家庭での信仰形成に焦点をあて、大切にしなくてはならない」という気づきでもある。
⑵方法を学ぶ。家庭で信仰に生きるには、家庭での信仰形成を大切にする教会であるためには、どうしたらよいのか。教会は、人々が敬虔な生活を送ることができるように、家庭において、父と子と聖霊との生きた関係を持つことができるように人々を導き、親たちを助けなくてはいけない。どうしたらいいのか祈り求める必要がある。
⑶継続。ヨハネ15章の中で、主は弟子たちに「とどまりなさい」と繰り返す。大切なことに気づき、方法が与えられても、それを継続するのは容易なことではない。教会が変わり、教会を通してそれぞれの家庭が変わっていくにはとても長い時間を要する。新しい方法、学びも出てくる中で、大切なことを見失わずに、家庭での信仰形成を重視する教会であり続けること。
⑷協力。地域の教会と協力し、この働きに取り組む。どの教派であっても「家庭での信仰形成」を重視しない教会はない。この点においては、一致協力して取り組めるはずである。
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「家庭での信仰形成」運動を進めていきたいと願うならば、まず自分自身から始めるように。自分自身が家庭で聖書を読み、祈る時間を持つ。また、自分自身が責任をゆだねられているグループやミニストリーの中で家庭での信仰形成を推進していくために何ができるかを考える。牧師任せにするのではなく、牧師が家庭での信仰形成に関して神さまから与えられているビジョンを行うことが出来るよう協力するように。
家庭における信仰形成は、神様の御心にかなうことなのである。福音を恥とせず、大胆に気づきを与え、大胆に方法を模索し、目先の結果にとらわれず大胆に継続し、大胆に協力していくことで、神様は御業を進めてくださる。

クリスチャン新聞web版掲載記事)