【異端・カルト110番】NY州がオリベット大学を閉鎖 「マネーロンダリング犯罪の体制変わっていない」
【異端・カルト110番】韓国主要教団から「再臨主疑惑」「異端性疑惑」などを理由に交流禁止、注視警戒などの規定を受けている張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏が米国で創設したオリベット大学が、ニューヨーク州から閉鎖の決定を受けた。7月2日、米ニューズウィーク電子版が伝えた。同記事は、(同大学が)2018年に起訴された犯罪謀議に関係したダビデ張こと張在亨氏の弟子たちのグループによって今なお大部分が運営されていることが指摘された、と伝えている。
2018年10月、ニューヨーク州マンハッタン検察庁は、同じく張在亨氏の関連団体であるインターナショナル・ビジネス・タイムズ(IBT)メディアの共同創設者エチエンヌ・ウザク氏、クリスチャン・メディア・コーポレーション(CMC)の前発行人ウイリアム・アンダーソン氏、コンピューターリース会社のオイコス・ネットワーク社などを総額3500万ドルの詐欺(マネーロンダリング)容疑で起訴。11月にはオリベット大学とその経営陣を詐欺企図、共同謀議、虚偽財務記録などの容疑で起訴した。これらの事件はいずれも2020年2月にニューヨーク州最高裁で罰金刑の有罪判決が確定している。各メディアの経営者らにはそれぞれ5万ドルの罰金が、オリベット大学には125万ドル(当時のレートで約1億3800万円)の罰金が課された。
今年4月にニューズウィークは、その後も連邦捜査当局が奴隷労働(human and labor trafficking:無報酬や極端な低賃金で働きに従事させること)や入国ビザ詐欺でオリベット大学への捜査を継続していることを伝えていた。同記事で元国家安全保障省の高官は、事件の特徴について「複雑かつ重大だ」とコメントした。
7月2日のニューズウィーク報道は、オリベット大学が中国と米国でのマネーロンダリングに関わっているかについて、ダビデ張氏の信奉者たちに国家安全保障省の捜査の焦点が当てられている、と報じている。ニューヨーク州教育副長官は同大の管理上の不始末を挙げ、オリベット大学の認可廃止が「犯罪行為」に関係していることを痛烈に非難した、としている。
またカッコ付きで、テネシー州とカリフォルニア州にあるオリベット大学のキャンパスも同様に調査対象となっており、国家安全保障省は同大の留学生登録を取り消す可能性もあることを伝えている。
同報道によると、ニューヨーク州マンハッタンとドーバーのキャンパスを閉鎖することは、2年間の再調査を経て今年5月17日に決定された。それに対して大学側は異議を申し立てたが、ウィリアム・P・マーフィー教育副長官は申し立てを却下し、再申請も拒否したため閉鎖の決定は即座に発効した。マーフィー氏は、2018年にマンハッタン地方検察がオリベット大学の金融犯罪を訴追したときの幹部のリーダーシップを一掃できていないと述べ、有罪判決の時点で学長であったトレーシー・デイビス氏の存在を指摘した。彼女は後にアカデミックディーンの役割に異動したが、ニューズウィークの共同所有者であるジョナサン・デイビス氏の妻である。もう1人の共同所有者であるニューズウィークCEO兼社長のデヴ・プラガド氏は、今年初めにオリベットのセクトを去り、張の信者が会社とそのニュースルームに干渉するのを防ぎたいと述べた。
ジョナサン・デイビス氏は、マンハッタン地方検察が起訴した詐欺罪で有罪を認めたIBTメディアのCEO。 IBTメディアはニューズウィークを2013年から所有し、2018年に起訴が発表される直前に手放した。
マーフィー氏によると、現在のオリベット大学の理事6人のうち5人は、2018年に犯罪が明らかになった際に大学で上級職を務めていたといい、オリベット大学の財務管理を厳しく批判している。マーフィー氏が検討した証拠の中には、オリベット大学に対する50件の訴訟があり、そのほとんどは契約条件での支払いを怠ったことと20件の税務署による財産差し押さえだったという。
(「異端・カルト110番」2022年7月7日投稿記事より転載)