園崎秀治氏

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園崎氏は全国社会福祉協議会(社協)災害担当として、2004年の中越地震以降、全国の災害支援活動に尽力、21年4月に独立した。
講演では▽災害ボランティアセンター(災害VC)の成立とその経緯、▽社会福祉協議会が災害VCを担う理由と課題、▽被災地の民間支援活動における連携・協働体制、▽被災者支援の三原則、について語った。
特に、これまでの社協災害担当者の経験から、支援の三原則として、被災者中心、地元主体、協働を強調した。「災害VCでは、ボランティアのための配慮を様々に求められることから、ともすると『ボランティア中心』『支援者側の視点』になりがちだ。だが、支援は何のため、誰のためなのか。被災された方が尊厳をもって生き、生活を持続していけて、その地域が息を吹き返すためではないか。支援者本位にならないため、まず被災地が置かれている状況を想像する必要がある」
「災害が起きると、災害以前からの地域課題が可視化される。それらの課題に向き合い、長期的に支えることを見据えた支援は地元の人々だけができる。地元のこれまでの文脈、関係性、 文化背景があること、過去の災害VCとのアプローチの違いには『事情』があることを考慮し、被災者(地元・住民)をエンパワメントし、自立を促す支援を意識していくことが重要だ。逆に、提案の丸投げ、支援過多の依存状態、課題の置き去りなど、地元主体でない支援が、地元の生業を阻害していないだろうか」

園崎氏の話に耳を傾ける参加者

「多岐にわたる被災者ニーズに対応するには、多様な分野が協働、連携して協力することであり、他に解決する方法はない。その構成員が『対等』に『主体性をもって』働く協働体制となっているか、それぞれの役割を平時に議論しコンセンサスを得る作業を行っているか、様々な災害に遭遇した時に互いに話し合って進められる関係性を築けているか、が肝心だ。行政・災害VC(社協)・NPО等の災害時の三者連携や協働は、あくまで対等な関係で成立する。協働するには、まず相手を知り、自分を知ってもらうことだ」

(この後、園崎氏は支援現場で見てきた宗教者の働きを評価します。クリスチャン新聞2022年7月17日号掲載記事)