神戸改革派神学校第44回夏期信徒講座が7月8、9日、兵庫県神戸市の日本キリスト改革派神港教会で開催された。会場には改革派内外から約50人が参加し、熱心に耳を傾けた。
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近年は多くの信徒が集まりやすいようにと、神戸市の中心部に近い同教会で開催されてきた夏期信徒講座だが、コロナ禍に伴い、2020年は中止を余儀なくされ、21年は同市郊外にある神学校での開催となっていた。今回は3年ぶりに同教会での開催となった。また、多くの要望を受けて、当初の予定にはなかったライブ配信も実施され、配信での参加者も約50人を数えた。

配信を含め、約100人が参加した

今回のテーマは「平和をつくる教会─使命と課題」。もともと改革派教会では、憲法委員会第一分科会を中心に新たな平和に関する宣言が準備されており、昨年6月に文案を発表し、秋の大会で承認されることになっていた。ところが、コロナ禍で大会そのものが延期されることになる中、その延期された時間を主から与えられたものとして、さらに研鑽(けんさん)を重ねてより良い宣言文とするために、今回の夏期信徒講座のテーマとすることが昨年のうちに決まっていた。その準備が進められる中、今年2月からロシアがウクライナ侵攻を開始。毎日のように「戦地」の映像を目にするようになり、「戦争」という言葉がかつてないほどリアルな響きをもって迫ってきている中、イエス・キリストの教会が「平和をつくる」という明確な使命にどう向き合い、取り組んでいくべきかを学び考えることとなった。
講師は憲法委員会第一分科会の委員5人。1日目は、袴田康裕氏(神戸改革派神学校教授)による「ウェストミンスター信仰告白における合法的戦争」を皮切りに、豊川慎氏(関東学院大学准教授、湘南恩寵教会長老)による「キリスト教平和学から考える国防論」、木下裕也氏(岐阜加納教会牧師)による「日本キリスト教史における絶対平和主義」。2日目は、石原知弘氏(東京恩寵教会牧師)による「オランダ改革派教会における戦争と平和」の後、締めくくりとして、吉田隆氏(神戸改革派神学校校長、甲子園伝道所宣教教師)が「『平和の宣言』の内容と意義」をテーマに講演。それぞれが非常に内容の濃い講義であり、また質疑応答でも熱のこもった意見交換がなされた。憲法委員会では、今回の講義内容や質疑応答を踏まえ、より磨きをかけた宣言文案をまとめ、改めて大会に提案するという。
各講義の内容については、次号以降で紹介する予定。【山口暁生】