追悼早天礼拝の様子

関東大震災から99年目の9月1日、流言飛語によって数々の「朝鮮人虐殺」が引き起こされた悲劇を心に刻み追悼しようと、今年も東京YMCA、東京聖都市化運動本部、在日本韓国YMCA合同による「関東大震災 第99周年記念 追悼合同早天礼拝」が、在日本韓国YMCA(東京・千代田区神田猿楽町)を会場に、オンライン併用で開催された。李相勁(イ・サンキョン)氏(在日大韓基督教会川崎教会牧師)が、ローマ人の信徒の手紙8章26~28節から「共に生きる」と題して、オンラインを通じて説教した。

礼拝案内チラシに掲載された当時の写真

最初に、礼拝案内チラシに掲載された写真について説明。「震災で焼け残った会館の跡地に集まった当時の在日本朝鮮基督教青年会(YMCA)=現・在日本韓国YMCA=の会員たちの写真だ。その説明を読むと、当時の厳しい状況を垣間見ることができる。震災後、朝鮮人が暴動を起こしているという流言が拡大し、それを信じた日本人により、数多くの朝鮮人が虐殺された。ここに写っている人たちも、危ういところで命拾いしている。当時の幹事は、警察署内で危うく襲撃を受けることになった」

「私たちはウクライナの惨劇で、一見平和に見える生活が急変する事態を目にしている。虐殺も昔話ではなくなってきた」と危機感を募らせる。一方、2013年の神奈川新聞に掲載された「関東大震災90年 多民族共生考えるシンポ」の記事を紹介。「記事では、朝鮮人を保護した人たちもいたこと、多くの群集たちが迫害を加えようとしたのに対し土木を請け負う親方たちが制止をしたこと、新田神社に180人の朝鮮人が保護されたこと、親方たちは日頃から仕事を通じて朝鮮人の人柄に接していたので流言飛語を信じなかった、ことが書かれている」

オンラインを通じてメッセージを語る李相勁氏

「共に生きる、つながることの大切さを教えられる。私たちは歴史を導かれる神様を、神様の御心が実現することを信じ、互いにつながり、励まし合い、共感しながら、とりなしてくださる聖霊の導きに従い、希望を抱いて、共に歩んでいきたいと願っている」と結んだ。(詳細は紙面で)