ICFのアニバーサリーで青年たちのダンス

野口、服部、ソリート、ノエルの各牧師

 

名古屋駅から車で約10分。愛知県大治町の大治福音自由教会の同教会堂に日曜朝集まるのは、主にフィリピン人だ。会衆は飛び上がって賛美し、タガログ語に英語が交じる。礼拝後はあちこちで記念撮影が繰り広げられ、写真はそのままフェイスブックにアップ。楽しい雰囲気が友人たちに伝わり、礼拝に加わるきっかけとなる。

同教会は従来から午後礼拝をしており、午前をフィリピン人の礼拝場所に提供している。同教会牧師の服部真光さんは、2009年に単立のフィリピン人教会と出会い、支援をしてきた。その後、フィリピン人教会は、インマヌエル・クリスチャン・フェローシップ(ICF)として、フィリピン福音自由教会に加盟し、日本福音自由教会の中部地区とも協力関係を結んだ。

東日本大震災、ヨランダ台風という両国の災害支援を経て結束が強まった。主に開拓を進める2人のフィリピン人牧師(ソリートさん、ノエルさん)に加え、18年には前フィリピン福音自由教会協議会会長のプリスコ牧師を迎え、牧会面を固めた。コロナ禍でも集会は増え続け、大治教会を含め、愛知県を中心に8か所で礼拝を持つ。

平日には小グループがある一方、9月のアニバーサリー(創立記念集会)やクリスマスなどICF全体で集まる機会もある。ICFには日本語礼拝もあり、これはフィリピン人女性の日本人夫や子どもたちを中心に開かれる。

大治教会では、通常の教会活動ほか、3人の日本人牧師がICFに協力している。野口恭一さんは日本人家族を細やかに配慮し、日笠哲二さんはタガログ語が堪能。服部さんは「英語もタガログ語も苦手」と述べる一方、全体の方針を示し調整する。「外国語ができなくてもチームでやれば、世界宣教ができます」

服部牧師

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9月20日、JEA宣教フォーラムで服部さんは、在日外国語教会との宣教協力について発題した。「従来、日本宣教と海外宣教に分けて考えられていたが、グローバルに人々が移動する中、日本か外国か、日本人か外国人かをこえた新しい枠組みで宣教を捉えるようになった」と言う。

「日本の教会が内向きから外向きへ視点を変える機会になる。まずは日本の在留外国人に心寄せることから始まる」と述べ、レビ記19章34節を引用した。

同フォーラムでは永井敏夫さん(J. Clay Mission Network)も名古屋市内のネパール人、ベトナム人、中国人の礼拝の様子を紹介。多文化共生リソースセンター東海の資料から、東海四県(静岡、岐阜、愛知、三重)に在住する外国人の分布や傾向を話した。

クリスチャン新聞web版掲載記事)