河野 優 石神井福音教会協力教師 前日本同盟基督教団法人事務主事

 

教会堂や牧師館として使うために中古物件を取得することがあるだろう。取得に際してどのようなことに気を付ければよいだろうか。すべてを網羅することはできないが、いくつかの例を見ながら考えてみたい。

まずは法令に合致しているか。よくあるのは増改築されたことにより建ぺい率や容積率などが建築基準法などの法令に定められた基準を超えている場合である。増築して建物を広くした、屋根裏などのデッドスペースを部屋にしたなどがそれにあたる。法令に違反する場合は境内地・境内建物証明を取得できない可能性が高いので注意したい。

また、教会堂が違法建築であるという状況は、果たして証しになるのかどうか、よく考える必要があるだろう。違法建築物件でも通常通り取引でき、買い手としては建物を広く使える方が良いと思われるかもしれないが、安易な選択は避けた方がよい。物件の状況は不動産広告に記載されているので、正確な情報を把握して注意深く検討するように努めたい。

次に予算。新築するほどの資金が準備できないので中古を選択するとの声をよく耳にする。しかし、程度の差はあれ、取得後に補修や改装などが必要になるだろう。柱や土台、屋根裏など構造上重要な箇所の補修、配線・配管などのやり直し・新設、雨漏りなど、実際に工事を始めてみなければわからない部分も多く、それらの改修費用は大きな負担となる。そのため、改装・補修工事の場合には新築工事以上に、思いもよらない追加工事が次々に発生し、想定していた予算を上回ることも少なくはない。実際に購入代金と工事費用を合わせたら、土地を購入して新築するのと同程度の金額になった例もある。手持ちの資金が足りなくなれば緊急の献金や教会債の募集などが必要になるので、できるだけ余力をもった予算計画を立てる必要がある。

 

法令遵守、予算計画、現況診断

続いて登録免許税非課税のための境内地・境内建物証明願申請。この手続きは、取得する物件がもっぱら宗教法人法第3条に規定する「境内地・境内建物」として供される(つまり宗教活動に使用される施設である)場合に、非課税の証明を受けるためのものである。基本的には現況が宗教活動の施設としての体を備えていることが求められ、事前の図面や写真資料に加えて所轄担当者の現地調査によって判断されることになる。間取りや設備の変更・整備など、比較的大きな改装が必要な場合は、現況では該当する物件とは認められないこともある。そのような場合には、改装工事計画を取得準備と並行して整えておく必要がある。実際の手続きでは計画図面(間取り図)、工事の見積書や請負契約書、工事の工程表などを求められることが多い。それらの資料をもって、確実に宗教活動のために使用されることを確認できれば、証明書が交付されることになる。取得の準備と並行に、しかも代金支払い・引き渡しまでに申請手続きを完了し、証明書の交付を受けなければならないため、全体のスケジュール管理も綿密に整える必要がある。

最後に取得後の点検。新築に比べて建物の保証期間が短いことが多いので注意が必要である。できれば、費用がかかるが引き渡しを受けたらすぐに、信頼できる専門家に建物の現況を診断してもらうことをお勧めする。実際に物件引き渡し後すぐに専門業者に依頼して建物を点検したところ、土台部分のシロアリ被害が確認されたことがある。売買契約に基づき仲介業者を通して売主に交渉し、補修費用を負担してもらうことができた。あわせて今後修繕が必要となる箇所も把握できるため、現実的かつ正確な修繕計画を立てることにも役に立つ。

主にささげる土地建物をふさわしく整え、用いるために、以上を含め留意して取り組みたい。

2023年04月02日号 03面掲載記事)

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