キリスト教で読み解く世界の映画 作品解説110』(関西学院大学キリスト教と文化研究センター編、キリスト新聞社、千980円税込、A5判)は、神学者ら36人による共著。『パッション』『沈黙―サイレンス―』などキリスト教映画をはじめ、『ダ・ヴィンチ・コード』『アメイジング・ジャーニー―神の小屋より』『ヤコブへの手紙』などキリスト教がモチーフのもの、『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『白バラの祈り―ゾフィー・ショル、最期の日々』など一般映画まで、幅広く取り上げる。世界観や価値観から聖書のエッセンスを抽出し、メタファーを見抜き、鋭い神学的な分析と指摘や、現代社会におけるキリスト教の役割まで問いかける。キーワード索引も用意され、たとえば教会での学びのきっかけとして題材探しに役立つ。


ライフサイクルと信仰の成長 礼拝と教会教育を通して』(ジョン・H・ウェスターホフ、ウィリアム・H・ウィリモン著、荒井仁、越川弘英訳、日本キリスト教団出版局、3千80円税込、A5判)の訳者はいずれも礼拝学の教師でもある。新居の祝福、誕生や養子縁組の感謝、悔悛者の和解、病者への牧会など礼拝の形式を論じつつ、「礼拝による教育」ではなく「礼拝の重要な副産物としての教育」を軸に、教会と牧会者を礼拝改革へ招く。


バルーフの世界―この現実をいきいきと生きる―』(高橋朗著、地引網出版、千100円税込、四六判)は、同社の月刊誌『舟の右側』での連載の書籍化。医師である著者は患者に伝道され受洗し、ヘブライ語を学び始める。祝福、賛美、感謝、歓迎などさまざまな文脈で使われる単語「バルーフ」から、神を礼拝する生き方を学んだ。がん患者や透析患者の証しも引用しつつ、困難に耐えながら力を出し続ける生き方ではなく、神の祝福のうちに活力を与えられる生き方を選び取ることを勧めている。


いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問』(橋爪大三郎著、文藝春秋、880円税込、新書判)は、さながら世俗向け教理問答だ。あまりに初歩的な質問を「おバカ」と表現しつつも、「教会に来るのは、よいひとですか」など教会内で直面する質問も並び、それに回答する立場にしてみればもちろんバカになどできない。社会学者である著者の狙いは「じゃあ教会にでも行ってみるか、と思うひと」が起こされることで、おバカ質問への総合的な回答は、教会に行けばわかる、ということではないか。なお福音派に関する質問には主にアメリカのトランプ支持層について回答している。

2023年06月04日号 08面掲載記事)

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