アンティオキアのボランティアセンターで

 

2月6日にトルコ東部およびシリアにて大地震が発生した。それは、イスタンブール日本人教会設立のために拠点を契約した3日後だった。
そのタイミングでの大地震に、主が私たちをトルコ震災支援に召しておられると確信し、アジアンアクセスジャパンでも支援を呼びかけ、東日本大震災の震災支援に携わって来た大友幸証牧師(保守バプ・塩釜聖書バプテスト教会主任牧師)と諸藤栄一牧師(有明バイブルチャーチ協力牧師、九州キリスト災害支援センターディレクター)、安孫子照神学生(東京基督教大学3年生)と共に5月18日から29日まで現地へ遣わされた。

今回の目的は、①現地に直接出向くことで、震災支援に取り組む働き人のニーズを聞き、中・長期的に日本の教会としての震災支援の可能性を探ること、②日本の諸教会から献げられた義援金を直接現地の働き人にお届けすること、③日本の震災から経験したことを分かち合うことで、震災支援に携わっている人を強めていくこと、だった。それは中・長期的に見て、支援にあたる働き人が燃え尽きたり、教会が痛んだりするリスクがあること、一方主は災害をも用いて宣教を進めることを、東日本大震災や熊本地震で経験させられたことから出てきたものだった。

実際に、アンカラ、アダナ、イスケンデルン、アンティオキア、ハタイ、サマンダー、イスタンブールへ出向いていき、震災支援に携わっている18人の震災支援リーダーとお会いし、義援金をお渡しし、また震災支援活動についてお聞きした。

 

アンカラの牧師のために祈る

トルコは人口約8千万人でプロテスタント教会数が200とのこと。正教会の影響が強い中、プロテスタント教会が連合して、約60教会がトルコプロテスタント教会連合(TeK)を形成していた。そのTeKの震災支援委員会として、タビタという組織が5月に結成され、被災地の教会に必要のヒアリングをしていた。今後それらの結果をまとめて、向こう3年間の復興支援計画を立案するとのことだった。その復興支援計画がまとまったら、諸外国の教会へも協力の要請をしたいとのこと。

特に日本に対しての期待は、地震国である日本の諸教会から経験を通して得た知恵を分かち合って欲しいとのことだと告げられた。

そこで今後、トルコの震災支援に携わっている鍵となる牧師を日本にお招きし、東日本大震災や熊本地震の支援にあたって来られた被災地の牧師たちと交わる機会を作る事を計画し始めた。

また、被災地の状況を見ながら、来年以降に日本からも支援チームを派遣することを検討している。

日本とトルコは元々歴史的に友好関係がある。今後、災害という痛みを共有することで、日本の教会がトルコの教会にお仕えできれば幸いに思う。(レポート・播義也=アジアンアクセスジャパンナショナルディレクター

2023年07月02日号 02面掲載記事)