木浦連合長老聖歌隊と車賢淑氏が賛美

 

「日韓新時代-和解と共生」をテーマに掲げて、第2回日韓親善キリスト教コンベンション(同実行委員会主催)が、6月30日に大阪市天王寺区のシェラトン都ホテルで開かれた。昨年10月、韓国・木浦市で開かれた「田内千鶴子生誕110周年記念式典」にあわせて開催された第1回コンベンションの熱気が、今回は日本に受け継がれた。

故田内千鶴子氏は、戦前木浦市で児童養護施設「共生園」を設立した夫の尹致浩(ユン・チホ)氏の遺志を継ぎ、戦後にかけて約3千600人もの孤児を育てた。韓国政府はその働きを讃えて日本人初の文化勲章を授与、木浦市初の市民賞も受賞した。1968年に亡くなると、市で最初の市民葬で送られた。その働きは長男の尹基氏に引き継がれて、韓国では共生福祉財団として発展し、日本では社会福祉法人「こころの家族」として高齢者福祉事業を展開している。困難な時代にキリストの愛を実践し日韓の架け橋となった千鶴子氏は、まさに日韓親善の体現者だ。

ピアニストの小堀英郎氏の司会で進められたプログラムで、高田義三実行委員長の開会の辞、村上好伸会長、杣浩二共同会長の挨拶に続き、木浦市から李昌錫(イ・チャンソク)木浦連合長老会会長が祝辞を述べ、木浦連合長老聖歌隊が賛美した。特別賛美の車賢淑(チャ・ヒョンスク)氏も会場を盛り上げた。

尹氏は日韓共通の課題である高齢化に向けて、キリスト教会も福祉施設併設など検討して行こうと提案した。清水昭三共同会長が「『愛の草の根運動』が日韓を真に結びつける」と、権龍植(クォン・ヨンシク)木浦キリスト教教会連合会前会長が千鶴子氏の精神にならう「教会がなすべき高齢者福祉」を呼びかけた。

最後に中島孝夫総務が登壇し、日韓共同で千鶴子氏の生涯をミュージカルにして世界中にその姿を伝えられたらと、大きな夢を語った。日韓シャトル外交が再開したように、今後の木浦と大阪のクリスチャンのシャトル外交実現も願った。【藤原とみこ】

2023年07月16日号   02面掲載記事)