有志による「香港を覚えての祈祷会」が7月3日に、オンラインで開かれた。発起人の一人、松谷曄介(ようすけ)さん(金城学院大学宗教主事)は、日本人ジャーナリストらの入境拒否、大陸と香港の教会共催の『基督教中国化シンポジウム』開催、など現地情勢を語った。香港の中国返還記念日翌日の7月2日日曜には、海外の移住者や協力者などによって「2023香港主日」が呼びかけられたことから、その祈祷文も紹介し、全体で祈った。

「絶望こそ希望の始まり」と題し、香港のある青年担当牧師のAさんが話した。「状況は絶望的だったが、神様に信頼し、服従することを学び、聖書に浸ることを迫られ、祈りの力を得た」と4年間を振り返った。

19年に大規模デモが繰り返されたが、「政権に何の変革ももたらせず、自分自身にも、香港にも絶望した」と言う。このことでバーン・アウト(燃え尽き)状態となった。

大病を患った神学校の恩師から神の主権に委ねる姿勢を学んだ。「政権や人間への期待をあきらめ、香港が元通りにならない現実を受け入れたとき、本当の希望は、神の贖いにあるのだと分かりました」

Aさんは、イエスが語った天の国のたとえに注目した。「当時のローマ政権下で語られた言葉から、世界の見方を教えられる」と言う。「麦と毒麦のたとえ」(マタイ13章)や「ぶどう園の労働者のたとえ」(マタイ20章)から、悪や不公平への「神のまなざし」を読み解いた。「私たちは世の中のものさしに影響される。私には香港の現実を嘆く時間が必要だった。それこそ、世の中のものさしを手放す助けになりました」

イエスのゲッセマネの祈りの姿からは、祈りの必要性を知るとともに、「祈りは困難に向き合う力」だと学んだという。「聖書を読み、黙想し、祈り、定期的に神に立ち返るという基本が大事。そして生活を整え、神様が望むことを実践したい。それぞれ遣わされている場所で、何ができるか祈り続けたい」と勧めた。

2023年07月23日号 02面掲載記事)

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