「十戒」は「平和の約束」、「愛の掟」。長年幼稚園教育、教会学校教育にたずさわり、戦争体験もある著者が、平和を求めてたどり着いた「十戒」から、絵本が生まれた。『うけとろう へいわ こどもとおとなにおくる十のことば』(いのちのことば社=写真=)だ。

著者北島峯子さんの文章に、娘で漆器作家の鳥羽あかしさんの柔らかいタッチの絵が調和し、奥行きをもたらす。やさしい言葉の繰り返しが、教会学校や幼稚園などでの読み聞かせに向いている。

本書は前半の絵本、後半の解説に分かれる。絵本では、平和の視点で「十戒」各戒を語り、「うけとろう…」と応答していく。たとえば第二戒=写真=で

わたしたちの 手で
見えるかたちの 神をつくることはできない
神の 愛は
そらよりも ひろく
山よりも たかく
うみよりも ふかい

とあれば、

うけとろう へいわ
わたしたちは
神のかたちに つくられた
神の愛を いただいて
生きている

と応答する。教師と子どもで交互に読むと効果的だろう。

後半の解説は大人に向け、「十戒」各戒について自身の戦争体験も交えながら語る。第二戒では「わたしたちは、権力や地位、名誉や富、そして自分自身までも神としてしまう」「広く、高く、深い神の愛によって自由にされたわたしたちは、神を愛し、隣人を愛するものとして、平和を求めて歩むことができる」と解説する。

あとがきで著者は「聖書の言葉はおとなから子どもへと、触れ合い(読み語りなど)の中で伝わる。わたしが受け取った平和が隣人を平和にし、隣人が受け取った平和でわたしが平和になる……。そのような日常が世界中で実現しますように」と述べる。

2023年08月13日号 05面掲載記事)

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